6.30.2008

『007 カジノ・ロワイヤル』

こんなのは007じゃないです。。。

これは、007の新人時代を描いた映画。内通者2人を殺し、「00」に昇格したばかりのジェームズ・ボンド。

“新人”と言っても、もちろん新卒などではなく、おそらくアシスタント的な仕事に従事していたので、年齢的には30代半ばといったところでしょうか? いや、もしかしたら全く違う仕事していたのを、スパイへの憧れが捨てられずに転職したのかもしれませんし、公務員として勤務していたところ、スパイとしての適性を見抜かれ職種変更したのかもしれません。

まあ、そんなことはどうでもいいのですが、まだ若く血気盛んなボンドは、組織の命令を無視して向こう見ずな行動に出たりしてしまうわけです。ところが、経験が浅いだけに、人を信用した挙句裏切られてしまったり。。。

ストーリーはいいとしましょう。問題は演出です。何なんでしょうこのシリアスな雰囲気は? 確かにニュー・ボンド役のダニエル・クレイグはかっこいいです。でも、あまりに隙がなさすぎて、人間味は感じられません。カジノでのカードゲームのシーンをあんなに長くやる必要はあったのでしょうか? ちなみに僕はバカラというゲームのルールを知らないので、さっぱり理解できませんでした。敵に捕らわれて拷問されるシーンなんて、見ていて本当に気持ち悪くなりました。007の魅力って、そんなところにはないでしょうに。

僕は忘れません、イギリスの映画館で007を見たときのことを。ものすごいアクロバットを見せ、人がバタバタと死んでいくアクション・シーンにもかかわらず、映画館は爆笑の渦に包まれていたのでした。ボンドがあり得ない状況から無事に帰還したシーンなんて、スタンディング・オベーションです。

そう、007シリーズはイギリス人にとってコメディなのです。皆、笑いを求めに来ているのです。なのに、今回の製作者は何を考えているのやら。マンネリを打破したいという思惑は感じられましたが、これはもはや別モノです。すぐに元の路線に戻すことを要求します!

6.28.2008

『スティーブ・ジョブズ 神の交渉力』/竹内 一正

ビジネス界の異端児スティーブ・ジョブズの仕事ぶりを「交渉力」という切り口から紹介した本です。面白いアイデアだとは思うのですが、ジョブズの伝記としては物足りなく、ビジネス書として仕事に活用しようにもジョブズの言動があまりに常人離れしていて役立てられません。結局どっちつかずに終わってしまっている、というのが僕の正直な感想です。

2007年に同じ著者・出版社から刊行された『スティーブ・ジョブズ 神の交渉術』を読者の要望に応じて再編集したとありますが、一体どんな要望だったのでしょうか…?

本書が役に立たない理由は2つあります。

1つはジョブズ自身があまりにエキセントリックな人物だろうということ。エレベーターに乗っている間のスモールトークで満足のいく回答が返ってこなかっただけで社員をクビにすることもある、というのは他の本でも読んだことがあります。が、ものすごいスピーチで形勢を逆転しただとか、ホワイトボードに自分以外の人が書き込もうとしただけでその人物をクビにしただとか、どこまで信じていいのか分かりません。

また、これらは2つ目の理由につながるのですが、著者がジョブズに心酔しきっているため、バイアスのかかった書き方になっていると思わざるを得ないこと。ジョブズの武勇伝の数々が、コンテクストもなしに事象だけ取り上げられているので眉唾に感じてしまいます。さらに際立たせようと、「普通は」とか「凡人は」という言葉をやたら使いまくっているのも興ざめです。

ジョブズはジョブズだからいいのです。一般の人がジョブズの真似なぞしたら、とんでもないことになることは容易に想像がつくでしょう。

6.27.2008

『フォー・ウェディング』

来週、イギリス人男性と日本人女性のカップルの結婚式に出席するためにロンドンに行きます。

イギリスの結婚式と言えば、はるか15年前に出席して以来なのですごく楽しみです。しかも当時は日本の結婚式すらほとんど出席したことがなく、日英の違いもよく分からずじまい。どんな服装をしていけばいいのか? どんなお祝いの言葉をかければいいのか? など、赤っ恥をかかないようにしたいもの。そこで予習を、と思って借りてきたのがこの映画です。

結論から言えば、あまり役に立ちませんでした。なぜって、皮肉たっぷりのちょいおバカコメディだから。

ベストマン(新郎の付添人)のヒュー・グラントは、相手を褒めるどころかシニカルな言葉を発してばかり(ある種、とてもイギリス的と言えばそうですが)。そう言えば、ヒュー・グラントが二枚目役を捨て、ラブコメ路線を突っ走るきかっけとなった映画だったと記憶しています。おまけに神父役としてローワン・アトキンソン(Mr.Beanです)まで出てきた日には、どんな映画かある程度想像がつくでしょう。

この映画のヒュー・グラントのようなセリフを言ったら殺されるだろうな。

6.26.2008

『フリーペーパーの衝撃』/稲垣太郎

「多メディア時代の『タダ』ならぬ存在!」と駄洒落交じりの帯のコピーとは裏腹に、中身は大真面目な本です。

『R25』『Metro Minutes』など今でこそ当たり前のように手にするフリーペーパーですが、その発行と採算ベースに乗せるまでには並々ならぬ困難があったことが、この本を読むと分かります。

その背景にあるのは、既存紙メディアの閉鎖性。ざっと印象に残った文言を挙げただけでも、これだけあります。
・「電車のホームでは気をつけろ」「女房子どもを実家に帰したか」などと日刊無料紙の発行準備中から脅しの電話が
・売店の売上が落ちるからと、当初は駅にラックを設置してもらえない
・無料誌は実は民法テレビと同じビジネスモデルなのに、広告主の理解を得られない
・だから無料誌ビジネスに携わっている人は、ほとんどが既成のやり方にとらわれない異業種からの転身者

残念だったのは、文体。論文っぽいというか、やや堅苦しい印象を受け、決して読みやすくはないのです。だからか、個人的に一番興味をかきたてられたのは、雑誌論の第一人者である電通の吉良俊彦氏との対談である最終章でした。

インターネット以外で既存メディアによる支配を揺るがす胎動の存在を知っておくことは、価値があることだと思います。

6.25.2008

サッカー監督について思うこと。

先日の日本対バーレーン戦を見て一番印象に残ったこと。それは、ヘボヘボの日本代表ではなく、目を疑うようなミスで終了間際に失点したバーレーンのGKでもなく、外見には全く無頓着なのだと思っていたあの岡田監督が洒落っ気たっぷりに爽やかな水色の眼鏡をかけていたことでした。

Euroを見ていても、ヨーロッパの代表監督ってファッションも立居振舞もサマになっていてかっこいいです。

例えば、クロアチアのビリッチ監督。現役ロック・ミュージシャンでもあり、とにかく熱い伊達男です。得点シーンのガッツポーズや惜しくもゴールを逃したときのリアクションも選手以上に大げさ。トルコ戦で延長終了間際にゴールを奪ったときなんて、誰よりも大はしゃぎしながら駆け回っていたのが微笑ましかったです。その直後に地獄を見ることになるわけですが。

また、イタリアのドナドーニ監督。現役時代はモジャモジャヘアに無精ひげのどちらかと言えば小汚いラテン系男でしたが、監督になってからは白髪交じりのヘアと整えられたひげにスーツ姿が風格あふれる、ちょいワルオヤジへと見事に変貌しました。

そして、フランスのドメネク監督。風貌は眼鏡にこだわりが見られる以外はお世辞にもかっこいいとは言えませんが、記者会見でのエスプリの利いたコメントなどに独自の美学が感じられます。敗退した直後に恋人にプロポーズするという厚顔無恥さからも、自分のスタイルを貫く強心臓ぶりがうかがえます。

岡田監督も、眼鏡の次は、試合中に着ている日曜日のお父さんみたいなジャージ姿をやめてはいかがでしょう?

6.24.2008

『ザ・マジックアワー』

これは傑作です! 約2時間の上映中、あきることもなく、笑い続けた映画は久々でした。

この映画が面白いのは、すべての要素が大げさなくらいに“作り物”っぽいから。

マフィアのボスの女に手を出してしまったことから、組織に追われる身となった口から出任せ男(妻夫木聡)。その男に「伝説の殺し屋を演じてほしい」と言われ、映画の撮影だと信じきったまま自己陶酔の世界をひた走る売れない役者(佐藤浩市)。明らかにドン・コルレオーネを意識しているマフィアのボス(西田敏行)。そして、3人の男を翻弄する魔性の女(深津絵里)。これら主要登場人物のキャラが立っているから、分かりやすいのです。

それに加え、安っぽいセット(もちろん意図的)も、脇役たちも、いい味を出しています。脚本も、すべての場面が後になって意味を帯びてくるなど無駄がありません。『カサブランカ』『ゴッドファーザー』などのパロディ(いや、オマージュか)と思われる場面もあり、笑えます。中でも、クールで“できる男”のイメージをかなぐり捨てた佐藤浩市の一世一代の名演技は必見です!

どれもフィクションだと分かりきっているからこそ、安心して笑うことができます。三谷幸喜、やりますな。

http://www.magic-hour.jp/

6.23.2008

『勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力』/勝間和代

勝間和代さんの存在意義は、権威をぶち壊したことではないでしょうか? 金融や外資コンサルなど、これまでどちらかと言えば専門性が必要とされ権威に守られていた分野を、白日の下にさらしてくれました。分かりやすく丁寧に説明することで、誰もがそのさわりに触れることができるようにしてくれたわけです。

勝間本に共通するのは、身近でキャッチーなフレーズを多用して、専門用語を分かりやすく解説している点(これを「内容が薄い」と言って批判するのは筋違いです)。そして、専門書やWebを紹介することで、読者がさらに勉強できるようにしている点です。

情報の囲い込みから公開へ。一人で何もかもやろうとするのではなく、専門家の英知に託す。言ってみれば、Web2.0です。本人も「自分をグーグル化する方法」などと、Web2.0を意識した言葉遣いをしています。Web2.0が浸透しつつあるこの時代にWeb2.0的な経済評論家・作家が登場したのは、時代の要請だったのでしょう。

この本は、そんな勝間和代さんの頭の中を覗いてみたかのような一冊。知的権威の象徴であるかのような外資コンサルの思考力を、平易な言葉で説明してくれています。これを活かすかどうかは読んだ人次第。勝間さんは、その役割を十分に果たしていると思います。

急に売れっ子になったことへのやっかみから様々な誹謗中傷も受けたのでしょうか。さりげない反論が本書の中にもちりばめられていました(笑)。

6.22.2008

ロシア3:1オランダ

オランダ負けてしまいましたね。。。

というか、ロシア恐るべし。ポジショニングがいいんだか、体力があるのだか、ピッチに11人以上立っているんじゃないかと思えるくらい色々なところに選手が顔を出していました。延長後半に入ってもぶっちぎる、あの無尽蔵のスタミナとスピードは何なんだという感じです。特に目立ったのが、ゼニト・サンクトペテルブルク所属のアルシャヴィン。小柄ながら驚異的なスピードと突破力の持ち主です。この夏の移籍市場を大いににぎわすことでしょう。そして、ヒディンク監督。どのチームを率いても結果を出すって、まさにマジシャンです。

オランダはここまで好調だっただけにショッキングです。せっかくアムステルダム在住のTheo氏から、オランダは狂ったように盛り上がっているという報告を受けていたのに。写真まで送ってもらっていたので、せっかくだから載せさせていただきます(ただし、これはスイスのベルンだそうです)。

6.21.2008

またしてもトルコ!

トルコ1:クロアチア1(PK戦でトルコの勝利)

これまた歴史に残る試合でした。明け方の驚愕の声に、安眠を妨げられたヨメから怒られました。サッカーを見ていてこんなに大声を張り上げてしまったのは、1999年のチャンピオンズリーグ決勝でマンUがロスタイムに立て続けに2点入れてバイエルンを逆転した「カンプ・ノウの奇跡」以来です。

今回の逆転劇の主役は、良くも悪くもGKのルストゥでした。僕がトルコ代表で一番好きなプレーヤーです。2002年W杯では、その存在感と落ち着いたプレーぶりに目を奪われました。でも、今や衰えは隠せず、正GKの座を奪われており、この試合ではヴォルカンが出場停止となったことで出場機会が巡ってきたのでした。

延長残り1分でクロアチアに点を取られたのは、そのルストゥの中途半端なプレーからでした。ゴールを空けてあそこまで飛び出したのならば、追い続けなければいけません。それまでにも何度も不安定なプレーを見せていただけに、最後にツケが回ってきたかと思いました。ゴールを奪われた直後は、さすがにガックリとひざまずく姿が見られました。

ところが、ここからがすごい。すぐに気を取り直すと、オフサイドで奪ったボールを即座に、それでいて冷静に前方へとフィードし、同点ゴールの起点となったのです。目を疑うような試合展開。勝ったと思っていたクロアチアは、もうPK戦を戦えるような精神状態にはなかったのでしょう。PK戦では2人が枠を外し、最後はルストゥがストップしてあっさり決着。ルストゥの自作自演とも言える活躍でトルコが準決勝進出を果たしたのでした。

最後まであきらめない、ってよく言われることではありますが、トルコは本当にそれを実践してしまうところがすごい。準決勝のドイツ戦も楽しみです。

6.19.2008

あっぱれ、ドメネク。

ユーロで早々に敗退したフランス代表のドメネク監督が、敗戦後のインタビューの場でスポーツキャスターの恋人にプロポーズしたとか。

すごいな。これぞフランス人。

http://sports.yahoo.co.jp/news/20080618-00000002-ld_s-socc.html

予期せぬインプロバイゼーション。

朝の通勤ラッシュ時のJR渋谷駅では、いつも職員が交通整理しながら「おはようございまーす」を等間隔で連呼しているのですが、今朝はi-podでLenny KravitzのAre You Gonna Go My Wayを聞いていたら、音楽と「おはようございまーす」のリズムが一致し、バックコーラスのように聞こえてきました。予期せぬインプロバイゼーション(即興)に思わず笑みがこぼれました。

皆さんも想像してみてください。あのノリノリのハードロックに「おはようございまーす」のバックコーラスがかぶさる様を。とびきりハッピーな気分になること請け合いです。以上。

6.18.2008

イタリア2:0フランス

つまらない試合でした。

フランスは前半早々にリベリーが負傷交代し、その後アビダルが一発レッドで退場した時点で終わり。今のフランス代表にはリベリー以外に見るべきものはないように思います。リベリーに代わって入った20歳のナスリは、あのジダンが「20歳のときの僕よりうまい」と評したという注目株ですが、ほとんどインパクトを残せないまま戦術的理由からすぐにピッチを去りました。

攻撃を組み立てられないダメダメなフランスに、イタリアまでも相手に合わせてしまったから、後半なんかあくびが止まりませんでした。オランダがルーマニアに勝ってくれたために、イタリアは決勝トーナメント進出を拾ったようなもの。

それにしても2年前のW杯のファイナリストの対決がこれです。その相手に3点差をつけて勝ったオランダの強さが際立ちます。サッカーって、進化が早いというか、堕落するのが早いというか。

余談ですが、日本のメディアは「レ・ブルー」という呼称を相変わらず使いまくっていますね。フランス語読みに忠実なら「ル・ブルー」なんですが。。。

6.17.2008

『グーグルに勝つ広告モデル』/岡本一郎

副題に「マスメディアは必要か」とある通り、グーグルという巨大新興勢力に対して、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌の既存メディアがどう対応すればいいかを述べた本です。

4大メディアの発展の経緯を概観しながら、なぜ今グーグルに食われているか、そしてどう対応すればいいかが具体的提言とともに書かれています。個人的にはヤフーとグーグルの違いを、アテンションの卸売とインタレストの卸売の違い、と表現した件が目新しかったです。メディア関係者、マーケティング関係者は必読でしょう。

メディアコンサルタントの話を直接聞いているかのような、分かりやすく明確な論旨展開が見事。この分野では梅田望夫さんという大家がいますが、岡本一郎という名も今後よく目にするようになるかもしれません。

オランダのメンタリティ。

今晩はいよいよグループCの2試合、イタリア対フランス、オランダ対ルーマニアが行われます。

イタリア対フランスの因縁対決も見ものですが、オランダがルーマニア相手にベストメンバーで勝ちにいくか、という点にも興味があります。というのも、オランダからすればルーマニアに勝たせてグループCを2位通過させた方が、準決勝で再びイタリアかフランスと対戦する可能性を排除できるからです(今大会の決勝トーナメントの組み合わせって、たすきがけではなく、同ブロック内で準決勝まで行くようにできているのが解せません)。

ポルトガルは1位通過を決めた後のスイス戦では、メンバーを落として敗れています。これって、主力を休ませるというメリット以上にチームの勢いをそいでしまうというリスクがあると思うのですが、オランダはどう出るか? 彼らのメンタリティからすれば、この試合も勝ちに行くのでしょうが。

6.16.2008

トルコ3:2チェコ

寝ぼけ眼をこすりながら起きただけの価値がある試合でした。

後半30分まで0-2とリードされながらの逆転勝ちは、トルコすごい!の一言に尽きます。僕は2002年W杯の戦いぶりを見てから、最後まであきらめない、調子に乗ったら手がつけられない、というトルコ代表のファンになってしまいました。だから、この試合も負けていながらも、何が起きるか分からない、何かやってくれそうな雰囲気を感じていました。

MVPはキャプテンを務めたFWニハトでしょう。チームメイトが焦っているときには「落ち着け」とジェスチャーを示し、自らは終盤に2得点と結果を出す。その冷静さとキャプテンシーは98年W杯のパラグアイ代表GKチラベルトを彷彿とさせるほど感動的でした。

6.15.2008

『案本』/山本高史

この本は一体誰をターゲットにしたのでしょうか? クリエイティブ関係への就職を目指す若者か、若手クリエイター? というくらいあまりに基本的なことばかりで、正直あまり役には立ちませんでした。

Amazonのカスタマーレビューなんか読むと評価している人たちもいるようなので、まあ、単純に僕はターゲットではなかったということなのでしょう。それならそれで「若手向け」とか「初級者向け」とか書いてほしかったですが。もちろん、これは著者のせいなどではなく、出版社の責任です。

インプレスは、最近この手の広告関係の本を出しまくり、IT書籍の出版社というイメージからの脱却を図っているようです。中には良書もあるのですが、全般的には薄い内容を、グレードの高い装丁によって価格を高く設定しているように思えてなりません。もう引っかからないぞ。

6.14.2008

ラグビー観戦。

快晴のもと、ラグビー観戦。

僕が1年間交換留学していた英国エジンバラ大学のラグビー部が創部150周年ということで日本へ遠征しており、東大ラグビー部との試合を行ったのです。試合は前半東大がリードしながら、後半は一方的な展開でエジンバラ大の逆転勝利。身体の大きさがあれだけ違えば当然でしょうか。

駒場キャンパスのアカデミックな雰囲気の中、つかの間の東大生気分を味わってきたのでした。

6.13.2008

War of commuters.

今日は朝っぱらから不愉快なことが勃発しました。なんと、通勤電車の中で因縁をつけられたのです!

ご承知の通り、僕が通勤に使っている田園都市線は小田急線、埼京線と並び、首都圏でも有数の混雑となります。毎朝、乗車率200%に達しようかというすし詰め状態なのですが、いい筋トレやストレッチの場だと前向きに捉えています(つり革をつかむ腕に強烈な負荷がかかったり、つり革や手すりをつかもうとして身体のあちこちを伸ばすため)。また、本や新聞を読むスペースもないため、i-podでビジネス英会話のpodcastを聞く格好の勉強空間でもあるわけです。

そんなわけで満員電車にそれほどストレスを感じることはなかったのですが、今朝は違いました。

渋谷の数駅手前あたりから、前に立っているおじさんが怪訝そうな目つきで顔を覗き込んでくるな、なんて思っていたのですが、きれいな女性ならいざ知らず、ただのおじさんを見る趣味のない僕は無視を決め込み英会話レッスンに集中していました。そして、渋谷駅。電車を降りるときにたまたま目が合った瞬間、そのおじさんは「ちっ」と僕に向かって舌打ちをしたのです!

う~む、僕が一体何をしたというのでしょう??? まるで身に覚えのないことで舌打ちされる。これほど不愉快なことはありません。たしかに身体は触れていたとは思いますが、特に押した蹴ったのトラブルは発生したとは思えません。他の人に足を踏まれたか肘鉄を食らったのを僕がやったものと勘違いしたのでしょうか? それとも、家庭か仕事でトラブルを抱え、むしゃくしゃしていただけなのでしょうか? はたまた、13日の金曜日だけにジェイソンの亡霊が彼に乗り移り、誰彼構わず因縁をつけていたのでしょうか? 様々な憶測が頭をよぎりましたが、真相は藪の中。

自分で言うのも何ですが、僕は比較的マナーのある乗客だと思っています。駆け込み乗車なんて絶対にしませんし、かばんは他の人に当たらないようお腹の前に抱えるようにして乗り込み、小柄な女性や老人がいたらそれとなくつり革を譲ってあげたり、入り口付近に立ったときは、いったんホームに出て乗降客に道を空けるいうルールを忠実に実践したり。それでも、自分ではできているつもりでも、どこかで人に迷惑をかけているかもしれない、なんてことも考えさせられたのでした~。

6.11.2008

『ノイズ』

宇宙で作業中に2分間、音信が途絶えた宇宙飛行士。無事に生還するものの、それ以降の彼はどこか変わっており、妻だけがその異変に気づく…。

SF版『ローズマリーの赤ちゃん』とも言える映画です(原題も『Astronaut's Wife』と、『Rosemary's Baby』を意識したものになっている?)。ただし『ローズマリー』の方がどこかコミカルで楽しめたのに対し、こちらは本気のホラー。

表面的にはやさしい夫をジョニー・デップ、疑心暗鬼になり精神衰弱に陥っていく妻をシャーリーズ・セロンが演じています。美男美女だけに絵になりますし、途中までは展開が読めないサイコホラーとして機能しているのですが…、タネ明かしがされる最後のシーンでガッカリ。それじゃあ元も子もないだろう、というようなオチなんですもの。

ラストシーンをそれこそマイケル・ジャクソンの「スリラー」のPVのようにすれば、観客側に解釈が委ねられ、少しは奥の深い映画になったかも?と感じた次第です。残念!

オランダ3:0イタリア

イタリア対オランダは予想もしなかったスコアになりました。

大航海時代の精神そのままに、美しく攻撃的なサッカーを標榜するオランダ。1点とったら後は守ればいいんだ、というサボリ気質(?)を伝統的に持つイタリア。全く正反対のサッカー哲学を持つと言われる両チームですが、力は拮抗しておりスコアレスドローになるのでは?なんて予想していました。

それが蓋を開けてみれば、力の差は歴然。1点目がオフサイドかどうかなんて、もはや関係ありません。内容的にもオランダの方がはるかにいいサッカーをしていましたから。スナイデルの2点目は、早くも今大会ナンバー1かと思えるようなスーパーゴール。しびれました。

フランス対ルーマニアも少しだけ見ましたが、フランスの攻撃は散発的でちぐはぐ。ルーマニアの方が団結力があるように感じました。

まだ第1戦が終わっただけですが、オランダとルーマニアがこの死のグループを抜け出し、イタリアとフランスが敗退、なんてシナリオも見えてきました。

6.10.2008

『ウィンブルドン』

落ち目の男子テニスプレーヤーが、若手女子プレーヤーとの恋愛をきっかけに快進撃を続けるという映画。

いかにも、というような設定。プロテニスプレーヤーってこんなにお気楽なの?って思うくらいのゆるさ。まあ、コメディーだから許してあげましょう。

実際のウィンブルドンコートで撮影したり、解説者としてジョン・マッケンローとクリス・エバートが出演していたり、テニスシーンはパット・キャッシュが演技指導してたりと、リアリティは追求しています。

テニス好きの人なら楽しめるのではないでしょうか? 間もなく本物のウィンブルドンが開幕。見たくなりました。

6.09.2008

川べりでのんびりビールとパスタ。

土曜日は天気も良かったので、以前から気になっていた多摩川沿いのイタリアンレストランでランチ。のんびりビールとパスタを楽しみました。

立地が最高なだけに、場所代が上乗せされるのかお値段もやや高め。もちろん味は抜群でした。

後でウェブで調べてみたら、4~11月という期間限定オープンのお店のようです。

http://allabout.co.jp/gourmet/cafegohan/closeup/CU20070611A/



















6.04.2008

素晴らしきYouTube。

YouTubeには既存の映像をユーザーが勝手に編集して作り上げた映像がアップされていることがあります。玉石混交なのですが、中には玄人はだしの優れた作品もあります。

例えば、Queen & David Bowieのunder pressure live re-edit version。Queenの86年のライブ映像と、92年のフレディ・マーキュリー追悼コンサートでボウイが歌う映像を編集し、あたかも両者が共演しているように見せたファン感涙の作品です。
http://jp.youtube.com/watch?v=3fpupBCL6TE

また、こちらは大相撲の朝青龍vs.白鵬。ここまでやっちゃうか、というくらいの大袈裟な映像加工。僕は相撲は滅多に見ないんですが、こんな演出があれば見てもいいかも?
http://jp.youtube.com/watch?v=OV5LF8dwd-8

世の中にはすごい人たち(暇人)がいるものです。そして、こんな舞台を提供するYouTubeに感謝です。

6.03.2008

『コンサルタントの「質問力」』/野口吉昭

コンサルタントに求められる質問力は3つあると著者は言います。

1 仮説力
質問する前にあらかじめ資料などにあたり仮説を準備しておく能力

2 本質力
相手が思わず「そういうこと!」と言いたくなるような質問をする能力

3 シナリオ力
流れを読みながら質問プロセスのシナリオをデザインできる能力

ちゃんとした人なら、どれも日常から無意識のうちにやっていたりすることばかりですが、こうして整理してまとめられると説得力が増します。

これまでに何百人という人たちを取材してきましたが、鋭い質問によって相手をうならせることができたときの快感はたまりません(そんなこと滅多にありませんが)。相手もノリノリになってくれるし、こっちもいい話が聞ける。そんなWIN-WINの関係を作り出す質問力を磨いていきたいものです。

6.02.2008

『ブロークンフラワーズ』

久々にジム・ジャームッシュ監督の映画を見ましたが、相変わらず人を食ったヤツです。

「19歳になるあなたの息子が、父親探しの旅に出ている」。元プレイボーイの中年男性の元に届いた、女性の筆跡による差出人不明の手紙。身に覚えはないものの、探偵モノに傾倒する隣人に勧められるがままに、かつての恋人たちを訪ねる旅に出ることに。バラの花束を持って。

旅先でのかつての恋人たちとのやり取り、タイプライター、ピンク色…。あちらこちらに張り巡らされる伏線。ストーリーが進むにつれ謎が解き明かされるのかと思いきや、観客の期待を見事に裏切る展開の連続。そもそも主人公のプレイボーイを、イケ面とは程遠いビル・マーレーに演じさせている時点で人を食っています(モテ男の雰囲気はかもし出しているかも?)。こうなったら、もうさじを投げて笑うしかありません。

この肩透かしが、ジャームッシュ映画の魅力でしょう。

6.01.2008