3.30.2010

政治家のせいで指を切った夜。

昨夜、料理中に指を切ってしまいました。ネギをザクザク切っていたところ、一瞬目を離してしまい、次の瞬間左手小指の先に痛みが。血が出るわ出るわ。さすがGlobalの包丁はよく切れる。しかも運悪く前日に研いだばかり。すぐに止血して絆創膏を貼り、大事に至りませんでしたが。学生時代に飲み屋の厨房でバイトを始めた頃はよく切っていましたが、それ以来16年ぶりくらいでしょうか。それにしても片手しか使えないというのは何かと不便です。料理、洗い物、入浴、仕事。特にキーボードを思うように打てないのがストレスたまります。小指って意外と重要だったんだ、なんて表に出ることのなかった労を労ったり。しかし何より腹立たしいのが、目を離してしまった理由。テレビで流れていた、亀井さんと菅さんがケンカしたという小学生レベルのニュースに拍子抜けしてしまったのです。いやはや政治家にはしっかりしてほしいものです(ただの八つ当たり…?)。

3.28.2010

The Reluctant Fundamentalist/Mohsin Hamid

今年に入ってからBook Clubなるものに通っています。月に一度、読書好きが集まり、課題図書を読んで感想を述べ合うというもの。ディスカッションが好きな欧米ではよくある形態で、東京でもいくつか行われていることを知り、参加することにしました。僕は現在2つのクラブに通っていますが、いずれも参加者はアメリカ人をはじめとする欧米人が中心で、日本人も数人交じっています。

4月の課題図書として読んだのがこの本。このクラブがなければ、パキスタンの小説を読むことはまずなかったでしょう。そして、世界にはこんな小説もあるんだ、という新鮮な驚きに包まれました。

「すみません、何かお困りですか? いえ、怪しいものじゃないんです。私はアメリカに住んでいたことがあって、アメリカが大好きなんですよ」。パキスタン第二の都市ラホールにあるカフェで、パキスタン人青年がアメリカ人旅行者に声をかけるという設定。全編が青年の一方的な独白という形で進みます。18歳でアメリカに渡り、有名大学を出て、大手コンサルティング会社に勤め、上司に認められ、高給に恵まれてパキスタンにいる家族に仕送りし、白人女性に恋をする。貧しい国から来たものが夢見るようなアメリカン・ドリームを実現したのですが…。タイトルを直訳すれば「気乗りしない原理主義者」。なぜ彼は気乗りしないのか? なぜ原理主義に傾倒するようになったのか? 次第に明らかにされていきます。

最初は語り口の面白さからコメディだと思いましたが、徐々に青年の独白は真剣度を増していきます。青年の経歴と著者の経歴がかぶることから、著者自身の体験が主人公に反映されていると考えてよさそうです。恐らく著者は、9.11以降、急速に内向的になったアメリカという国家を糾弾したかったのでしょう。コメディ、ミステリー、恋愛、政治など、様々な要素が詰まった斬新な小説でした。

3.26.2010

テンはなぜトキを襲撃したのか?

ちょっと前のことですが、佐渡島のトキ襲撃の一報を聞いて真っ先に思い起こしたのが阿部和重の『ニッポニアニッポン』という小説でした。

コンプレックスの塊のような引きこもり青年が、自らの存在を証明するためにトキ密殺を企てるというストーリー。なぜトキかというと、自らの名前・鴇谷春生に鴇(トキ)という漢字が入っており、自らの忌まわしい過去を抹殺するころになるだろうと考えたことに加え、トキの学名ニッポニアニッポンが日本を象徴しており、日本という国家に対して制裁を与えることになるだろうと妄想したから。たしか10年くらい前の小説なんで詳細は忘れましたが、当時、閉塞感に苦悩する若者の見えない叫びを見事に言語化した傑作だと感心した覚えがあります。

さて、この度のトキ襲撃にもきな臭さを感じてしまったのは僕だけでしょうか? 一躍有名になったテンという動物。名前くらいは聞いたことがあっても、ほとんど何も知りませんでした。今回の行動が「おいらの存在を世間に知らしめてやる」というテンの意を決したものだったとしたら…。はたまた、仮に鴇谷春生と同じような悩みを持った係員の作為を持った行動だったとしたら…。なんてこちらも勝手に妄想してみたりして。

3.20.2010

空を舞うサンダル。

朝起きたら、ベランダのサンダルが片方しかありませんでした。どうやら昨夜の突風で吹き飛ばされたらしい。新聞を取りにエレベーターホールに行ったら、別のサンダル片方だけが「うちのベランダにありました」という手紙とともに置いてありました。どうやら各地で同じ現象が起きていた模様。無数のサンダルが空を舞っている姿を想像してしまいました。