6.02.2008

『ブロークンフラワーズ』

久々にジム・ジャームッシュ監督の映画を見ましたが、相変わらず人を食ったヤツです。

「19歳になるあなたの息子が、父親探しの旅に出ている」。元プレイボーイの中年男性の元に届いた、女性の筆跡による差出人不明の手紙。身に覚えはないものの、探偵モノに傾倒する隣人に勧められるがままに、かつての恋人たちを訪ねる旅に出ることに。バラの花束を持って。

旅先でのかつての恋人たちとのやり取り、タイプライター、ピンク色…。あちらこちらに張り巡らされる伏線。ストーリーが進むにつれ謎が解き明かされるのかと思いきや、観客の期待を見事に裏切る展開の連続。そもそも主人公のプレイボーイを、イケ面とは程遠いビル・マーレーに演じさせている時点で人を食っています(モテ男の雰囲気はかもし出しているかも?)。こうなったら、もうさじを投げて笑うしかありません。

この肩透かしが、ジャームッシュ映画の魅力でしょう。