6.23.2008

『勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力』/勝間和代

勝間和代さんの存在意義は、権威をぶち壊したことではないでしょうか? 金融や外資コンサルなど、これまでどちらかと言えば専門性が必要とされ権威に守られていた分野を、白日の下にさらしてくれました。分かりやすく丁寧に説明することで、誰もがそのさわりに触れることができるようにしてくれたわけです。

勝間本に共通するのは、身近でキャッチーなフレーズを多用して、専門用語を分かりやすく解説している点(これを「内容が薄い」と言って批判するのは筋違いです)。そして、専門書やWebを紹介することで、読者がさらに勉強できるようにしている点です。

情報の囲い込みから公開へ。一人で何もかもやろうとするのではなく、専門家の英知に託す。言ってみれば、Web2.0です。本人も「自分をグーグル化する方法」などと、Web2.0を意識した言葉遣いをしています。Web2.0が浸透しつつあるこの時代にWeb2.0的な経済評論家・作家が登場したのは、時代の要請だったのでしょう。

この本は、そんな勝間和代さんの頭の中を覗いてみたかのような一冊。知的権威の象徴であるかのような外資コンサルの思考力を、平易な言葉で説明してくれています。これを活かすかどうかは読んだ人次第。勝間さんは、その役割を十分に果たしていると思います。

急に売れっ子になったことへのやっかみから様々な誹謗中傷も受けたのでしょうか。さりげない反論が本書の中にもちりばめられていました(笑)。