5.07.2010

『パイレーツ・ロック』

1966年のイギリスを舞台にした映画。当時UKロックがアツイのに、唯一のラジオ局BBCには1日45分までしかロックを流してはいけないという規制が。そんな中で、政府の規制に反対し、北海に浮かぶ船から24時間ロックを流して多くのリスナーを獲得した海賊ラジオ局「レディオ・ロック」の物語。

実話をもとにしているそうですが、個人的に感慨深いものが。僕がラジオを聴くようになったのは幼少時代のイギリス(1980年代前半)。毎週日曜日午後に4時間にわたってBBCで放送されるTop40に熱心に耳を傾け、テープにも録って繰り返し聞いたものでした(エアーチェックという言葉懐かしいなあ)。ロックがふんだんに流れるようになった背景には、こんな熱い闘いがあったとは!

ただし、映画の出来は今一つ。先の読める展開ばかりで予定調和的。『ラブ・アクチュアリー』もそうでしたが、リチャード・カーティス監督の作品からはイギリスのいい面を無理矢理こしらえようとする嫌らしさを感じてしまいます。まるでCool Britania政策の一環にすら思えるほど。

また、映画中では60年代ロックばかりだったのが、エンディングロールに続々と登場するアルバム・ジャケットには最近のものまで含まれるなど時代を超越しすぎ。まるで統一感がないのが残念でした。どうせなら60年代ロックへのトリビュートにすればよかったのに。

5.06.2010

日本代表には期待しないのが一番。

メンバー発表を間近に控えた日本代表ですが、サッカー好きの友人たちの間では「本田のチーム」にすべきという声が大勢を占めます。僕はさらに一歩踏み込んで、本田が選手選考に関わってもいいと思っています。もちろん名目上は岡ちゃんが選んだことにして。今からでも本田に全権を委ね、彼のやりやすいメンバーを選ぶくらいのショック療法が必要では?

本田は日本代表の中では浮いているようですが、本来は全員に本田くらいのメンタルの強さとビッグマウスが必要でしょう。

最近ラテン系のチームに入ってサッカーやっています。ブラジル、メキシコ、チリ、ボリビアといった中南米の連中が中心で、そこにイギリス人や日本人が数名入っているチームですが、とにかく連中の気持ちの強さを感じます。毎試合必ずケンカが起きます。ファウルに怒ったり、レフリーの判定に異議を唱えたりで。日本人からすれば、草サッカーなんだしその程度のことで怒るなよ、となるところですが、彼らは仔細な局地戦においても絶対に負けたくないという勝利への執着心を見せるのです。日本人に足りないのはこれだな、なんて思ってしまうわけです。

日本代表には期待しないのが一番。期待されない方がかえっていい結果が出るような気がします(という期待なのですが…)。

5.04.2010

『フロスト×ニクソン』

1974年に行なわれ、アメリカのテレビ史上最高の視聴者数を記録したという対談を映画化したもの。

ウォーターゲート事件で辞任したニクソンに、イギリスのテレビ司会者フロストが対談を申し込む。ニクソンとしては高額な報酬に加え、プラス面をアピールして政界復帰への足掛かりを得たいという目論見が。一方のフロストには、アメリカのショービズ界進出という下心が。対談は4回にわたって収録されることに。

ドキュメンタリー・タッチの映像と音楽が知的興奮を掻き立てます。特に対談の場面は、手に汗握る緊張の連続でした。

ただ、やはり解せなかったのが、それまで全く隙がなく格の違いを見せつけていたニクソンが最終収録前夜あたりになって急に動揺してしまうこと。映画の中にもボクシングの比喩がたくさん出てきましたが、ノーガードの打ち合いというよりは、終始リードしていたニクソンが最終ラウンドで勝手に自滅したみたいに感じられてしまいました。

また、フロストも能天気でいい加減な男なのか、真の切れ者なのかが最後まで不明でした。1回目の対談の前日にガールフレンドとパーティーに行くなど余裕をかましていたかと思ったら、スポンサーがなかなか集まらず苦悩したり、最終対談の前になって突如やる気を見せたり。フロストについて調べようにも、日本版wikipediaに載っていない!