12.26.2008

『ペネロピ』

これは素晴らしい映画です!

先祖の呪によって豚の鼻で生まれてきた名家の令嬢ペネロピ。呪を解くには名家の男性と結婚するしかないのですが、お見合いを重ねても、男性たちはペネロピの顔を見たとたんに逃げ出していく。ところが“マックス”だけは…。

ネタバレで恐縮ですが、呪が解かれるのはペネロピがありのままの自分を受け入れ、好きになったときでした。

ペネロピは、コンプレックスを持つ人間の象徴。コンプレックスのない人なんてこの世にいないでしょうから、全人類必見の映画だと言えます。

12.22.2008

『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』/町山智浩

町山さんの映画関係の本は非常に好きですが、この本に関しては正直微妙でした。

なかなか日本には伝わってこないアメリカの暗部を、アメリカに生活する者の視点から綴っているのですが、取り上げているネタが相当エグく、正直あまり笑えませんでした。また、アメリカの現実は実際に惨憺たるものなのかもしれませんが、それを週刊誌的な軽いノリで面白おかしく書いていることから、どこまで真実なのか信憑性を疑ってしまいます。

12.17.2008

突如蘇った26年前の記憶。

クラブ・ワールドカップを見ていたら、副音声で元イングランド代表の名選手Paul Marinerが解説を務めていることを知り、すぐさま切り替え。

1982年のワールドカップで相手選手から執拗なマークにあっていた姿が突如蘇りました。幼少時の記憶って、意外と鮮明なもんですね。

12.16.2008

ドラマ『流星の絆』、真犯人は誰?

今クールで唯一見ているドラマが『流星の絆』。人気作家・東野圭吾が原作のミステリーです。

幼い頃に洋食店を営む両親を何者かに殺害された三兄妹が、時効までに犯人を探し出し、復讐を企てるというストーリー。といっても重苦しい雰囲気はなく、宮藤官九郎が脚本を担当しているだけあって、コミカルな劇中劇が挿し込まれたりと、極上のエンターテインメントに仕上がっています。

実は前回、これまで犯人だと信じていた人物が犯人ではないことが判明。次回最終回では、いよいよ真犯人が明らかになる模様です。予告編を見る限り、意外と身近な人物が犯人のよう。僕とヨメで真犯人について討議したところ、まるで違う意見が。金曜日、すべてが明らかになります!

12.14.2008

金融危機の責任は本当にアメリカにあるのか?

金融危機の影響は、僕の会社にも着実に及んできています。大口顧客だった金融業界からの依頼が減ったあおりを受け、アメリカ本社でレイオフを実施するほか、日本でもいよいよ人件費削減のウワサが…。これまでどこか他人事のようにニュースを見聞きしていましたが、自分の身にも降りかかるかもしれないと思うと、急に当事者意識が芽生えてきてしまいました。

今回の金融危機について、アメリカがすべて悪い、というような論調が日本では見られますが、それは違うのではないかと思います。

ここ最近の構図を自動車に例えれば、アメリカが先頭に立って金融資本主義という道を切り拓いていき、日本を含む国々が後を追随していたということになると思います。少し前までは、アメリカが作ってくれた道をスイスイ快適に進むことができた。ところが、先頭にいたアメリカが突如横転してしまった。すると、後続車も続々と衝突し、世界規模の玉突き事故を起こしてしまった。10年ほど前に大事故を起こし、慎重に車間距離を置きながら走っていたはずの日本も、その事故の巻き添えになったということだと思います。

アメリカの作ったシステムの恩恵を受けていながら、ミスを起こしたときだけ責任を追及するというのは、あまりにもムシが良すぎるのではないでしょうか?

この例えに則って言えば、今は安泰と思っている日本企業にも徐々に、そして確実に影響が及んでくることでしょう。早めに気づかされた分ラッキー、とすら思っています。

12.13.2008

日テレはなぜサッカー中継が下手なのか?

クラブ・ワールドカップをテレビ観戦。北中米カリブ代表のパチューカ(メキシコ)がアフリカ代表のアルアハリ(エジプト)を延長の末、逆転で下した好ゲームでした。

でも、そんな好ゲームに水を差したのが日本テレビのサッカー中継の下手さ。なぜここで、はるか前の場面のリプレーが? なぜ、このフレーミングで選手を移す? なぜパチューカのパスワークを遮るようなフォーメーション図を入れる? なぜ実況は言いかけたことを最後まで言わない? 肝心の試合そっちのけで、そんな疑問が次から次へと湧いてきたのでした。

結局、日テレ内にサッカーのことを分かっている人がいないんだろうな。ヴェルディ低迷の原因とも決して無縁ではないと思います。

12.10.2008

情報過多の時代。

先日、取引先の人から「研修の課題図書にふさわしい本を教えてください」という問い合わせを受けました。

特に読書好きといった話はそれまでしたことがなかったので、どこで聞きつけてきたのか、もしくは僕に勝手なイメージを抱いて依頼してきたのか。それも、こちらは書籍代カットの中で、新刊書やビジネス書の傾向には以前に比べて疎くなっているのに。それでも人から必要とされるのは、やはりうれしいものです。ありったけの知識を総動員してお答えしておきました。

最近は「ブック・コンシェルジュ」なる肩書きを持つ人もいるようで、情報過多、玉石混交の中からいい情報を入手するのに、皆さん苦労しているようです。

12.09.2008

Why型人間の隆盛。

先週金曜日に日経ホールで行われた日経経済知力フォーラム「イノベーション人材を創る」に行ってきました。

ザカティーコンサルティング細谷功さんの行った基調講演「混沌から再生へ 未来を切り拓く問題解決型人材」が抜群に面白かったです。

・今求められているのは、従来型のWhat型人間ではなく、問題解決型のWhy型人間
・その理由は、インターネット時代になり、「考える」ことがかつてないほど重要になっているから
・ネットの特徴は、1.素人参加型で信憑性が低い 2.知識・情報の陳腐化が早い 3.過度の情報の洪水は思考停止を招く
・つまり、情報の洪水を前にして思考停止に陥る人と、膨大な知識+考えることで情報を何倍にも活用できる人へと二極化している
・What型人間は知識・記憶力を武器にしている人。表面事象を捉えたり、与えられた問題を解くのは得意
・Why型人間は地頭がよく、どれだけ考えられるかで差別化している人。本質を捉えたり、答えのない問いに答えるのが得意

Why型人間は伝統のある大手企業ではなく、新興企業の方が育ちやすいという論点が、今の時代を象徴しているようで興味深いですね。

12.01.2008

人生初の快挙?

人生初の快挙かもしれません。今日発表になった流行語大賞、選ばれた言葉をすべて知っていたのです!

これまでは発表を見ても知らない言葉ばかり、というのが常でした。大抵数ヶ月~1年遅れくらいで流行語を知って、ヨメとの会話に取り入れてみたところ閉口されたことは数知れず。それが、今年、ついに悲願の全流行語制覇です。

その要因は、テレビを見る時間が増えたことでしょうか。いや、基本的にはテレビ嫌いは今も昔も変わらないのですが、僕よりはるかに常人に近いヨメと暮らすことで、少しは社会性が身についたのだとポジティブに捉えたいと思っています。

11.30.2008

チェックメイト。

最近、パソコンのチェスにはまっています。

対戦相手がコンピュータというのが味気ないのですが、まるで人間のように好不調の波があったりして。憎らしいほど先手を読んでくるときもあれば、簡単にクイーンを取らせてくれるときもあったり(レベル設定はできますが、大体いつも同じレベルでやっています)。通算対戦成績では大きく負け越していますが、こっちもさすがに上達してきて、数手先まで読めるようになってきました。

チェスは将棋と違って一度死んだ駒は使えないので、基本的には取り合って最後は数駒だけでの勝負となります。それが、駒がたくさんある段階で詰めたとき(チェックメイト)が、やはり一番の快感です。戦略思考を鍛えるのにいいかも。

11.29.2008

『スルース』

ケネス・ブラナー監督と言えば、シェークスピア作品とか歴史もので高尚なイメージがあったけど、こんなスタイリッシュな娯楽作も撮っていたのですね。

初老の推理小説家(マイケル・ケイン)とその妻の愛人の若い俳優(ジュード・ロウ)の2人が、女性をめぐって“ゲーム”を繰り広げる。登場人物はこの2人だけで、渦中の女性はまったく出てこないという、異色のサスペンス映画です。でも、2人の存在感が抜群で、物足りなさは全く感じません。

もはや女性のことはどうでもよくなり、ゲームは男と男のプライドをかけた戦いへとエスカレートしていく。本来の目的を忘れ、目の前の戦いを制することだけに執着していく男たち。ブラナーは、そんな男の悲しい性を描きたかったのでしょうか?

11.25.2008

恐るべし、チャイニーズパワー。

今日は上海オフィスのマーケティング担当と電話ミーティング。

中国系の人って、英語の発音はメチャクチャだけどホントよくしゃべります。きれいに話そうなんていう意識は毛頭なく、とにかく通じればいいというスタンス。こっちが言いたいことを整理するためにほんの少し沈黙が流れただけで、間髪入れずに「どうしました?」。ちょっとした間も許されない(笑)。

彼らの度胸というかバイタリティには頭が下がります。

11.23.2008

『カプリコン・1』

アポロは本当に月に行ったのか?をモチーフにした政治サスペンス映画。設定は火星に変わっています。

世界初の火星への有人飛行に湧き上がるアメリカ。ところが、まさに飛び立とうとする数分前にロケットから降ろされた3人の飛行士たち。世界が注目する世紀のイベントだけに、国家の威信を落とすわけにはいかない。そこで他の場所に隔離され、家族を盾に取られ、スタジオで火星に行ったかのようなヤラセ映像を撮ることに。いずれ耳にしたのは、ロケットが帰りに大気圏突入する際に炎上したというシナリオ。自分たちが殺されるはめになることに気付いた彼らは逃亡し、家族のもとに戻るまで決死の逃避行を続ける、というストーリー。

子どものときに見たときは、ものすごい映画だ!と思いましたが、今見ると非常に安っぽい。何と言っても、重要な国家機密なのに簡単に逃亡を許すなど、3人に対する監視が甘すぎます。他にも陰謀に感づいたジャーナリストに対し、いくらでも命を奪うチャンスがあったのに失敗し続ける点も。なお、飛行士のうちの一人があのOJシンプソンだったことには驚きました。

テーマは抜群に面白いだけに、例えば今、マイケル・マンあたりに撮らせたら極上のサスペンスになるだろうに。NASAは当初は協力的だったものの、試写を見てから態度が変わったというだけに、物語の信憑性は高いのかも?

思わず、ウィキペディアでアポロ計画陰謀論の項目を熟読してしまいました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%9D%E3%83%AD%E8%A8%88%E7%94%BB%E9%99%B0%E8%AC%80%E8%AB%96

11.20.2008

戯言。

「お前が言うな!」(「医師は社会常識が欠落している」という麻生総理の発言に対して)

「それがアスリートの髪型か!」(フリーエージェント宣言した三浦大輔投手に対して)

「そんな奴いくらでもいるだろ!」(元厚生次官の殺害犯が右利きの可能性が強い、というのがさぞ有力な手がかりであるかのようにトップニュースで大々的に報道されたことに対して)

「それ要は失敗だろ!」(イージス艦ミサイル迎撃試験失敗について自衛隊トップが「途中まで順調、及第点」と述べたことに対して)

最近、テレビに向かってやたらとツッコミを入れてる気がするな。。。

11.16.2008

悲しきブッフェ。

以前から気になっていた、玉川高島屋のガーデンアイランドにあるブッフェに行ってみました。

1470円で食べ放題となかなかお得かと思いきや、バイキングとかブッフェってどうしても貧乏心丸出しで、食べられるだけ食べちゃえ的な行為に走り、限界効用をはるかに超え、もはやおいしいと感じていないのに食べてしまうというオチになりやすいのですが、この日もやはりその呪縛から抜け出せませんでした。

味は悪くないのですが、悲しい。。。

http://www.buffet.jp/villa/index.html

11.11.2008

TV東京のヘボさとNHKのすごさ。

TV東京の『ガイアの夜明け』という番組、金融危機に関する特集をするというので初めて見てみたら、あまりに素人くさいつくりに腰が抜けました。

主要人物から取材拒否される場面をさも努力したと言わんばかりに放送するわ、カメラは写り込むわ。せっかくの日経のリソースがまるで活かされていないではないですか。同じ金融危機をテーマにした番組だったら、1ヵ月くらい前にやったNHKスペシャルの方がはるかに面白く勉強になりました。やっぱNHKってすごいんだな。

11.08.2008

『レッドクリフ』

簡単に言えば「中国史の授業+道徳の授業+エンターテインメント」ということになるでしょうか。

これまで何かと敬遠してしまっていた三国志の魅力にわずかながら浸れたこと。諸葛孔明役の金城武も周瑜役のトニー・レオンも実に知的でかっこよく、彼らの見せる「徳」に学びを得たこと。そして、聞きしに勝る戦闘シーンをはじめとする映像のスケールの大きさ。2時間半と1300円(前売り券)というコストに十分見合うだけの濃密なリターンを得ました。

映画そのものに関して言えば、ストーリーをとてもシンプルにまとめてあるのが好感が持てました。三国志をよく知らない人のためにも分かりやすい工夫が施してあり、また、登場人物が出てくる度に字幕で再度役柄を教えてくれるので、大作映画にありがちな「この人って誰だっけ?」という心配は皆無でした。

2009年4月に公開されるというPart2が待ち遠しい!

http://redcliff.jp/index.html

11.03.2008

至福のビール。

親がキャンペーンで当てた、エビスの特別醸造ビールを1本譲り受けました。

その名も「至福の贅沢」。ただでさえ「ちょっと贅沢なビール」なのに、さらに濃厚な感じ。名前に恥じない味わい深さでした。

貴重な1本を、ありがたくいただきました。

10.28.2008

『平凡な人財で非凡な成果を上げる』/及川昭

図書館利用率が高まってから、少しでも気になったり話題になったりした本を片っ端から予約して借りているのですが、そうするとホント身銭を切らなくてよかった、という類の本が多いことに気付かされます。

その最たるものが本書です。研修会社の代表が書いた組織・人材論。タイトルからして怪しいと思っていたのですが、読んでみて驚愕。中身は自社の宣伝ばかりなのです。それも、他社はダメだけどウチはいい、という小学生レベルの二元論。開いた口がふさがりません。金を積まれたなど何らかの理由があるのでしょうが、版元のダイヤモンド社にもガッカリです。

アマゾンのカスタマーレビューを見て、なおさらビックリ。6人の方がレビューを書いていたのですが、全員揃いも揃って5点満点と大絶賛のオンパレード。ところが、不自然なほどに評価していたり、誤字脱字が多かったりと文章がこなれていないので、過去のレビューを見てみたら、予想通り全員がこの本のレビューしか書いていないのです。恐らく同社の社員や関係者にレビューを書かせた、典型的なヤラセですね。

アマゾンのカスタマーレビューは一般的には、読書好きの知的度合いの高い人たちが書いているので信頼度も高いと思っています。中にはこのように悪用されるケースもあるわけですが、過去のレビューを見れば簡単に見破れるわけです。

10.26.2008

ATESが休刊。

雑誌ATESが来月号で休刊だそうです。

もともとPenの増刷としてPen Atesという名で出版されていたのに、いつの間にやらPenが取れてATESだけに。しかも、最初は豊かな食を通じたライフスタイルを提案する雑誌でなかなか面白かったのが、最近ではトヨタやらソフトバンクやらを特集するビジネス誌に変わっているし。

サイトに行ってみたら「都合によりアテスオフィシャルサイトを終了させていただきました。」だと。こりゃ、ひどい。もう少し読者に対する誠意を見せてもいいものだと思いますが。

10.23.2008

これは欲しい、Google Phone!

ついにGoogleが携帯電話を発表しました!

Google desktopがそのまま携帯に移行できる上、地図やストリートビューも閲覧可能。データは端末ではなくネットワーク(いわゆる“あちら側”)に記録されるので、紛失したり壊したりしても大丈夫というすぐれものです。

これは、i-phoneより欲しいかも。

10.21.2008

夢の猫ライフへの道のり。

友人女性が猫を買い始めたそうです。それも2匹も。それも生後3ヶ月と6ヶ月の子猫を。

さぞかしかわいい盛りかと思いきや、友人は心労を患っているご様子。というのも、2匹は最近まで半野良猫状態だったようで、近所の猫好きの方が保護したのを、友人が里親に名乗り出て飼うことになったとのこと。だから、人間不信に陥っているのか、ちょっと動いただけでびくびくしたりと、なかなか心を許してくれないそうです。友人の手の平には引っかかれた跡が。。。

夢の猫ライフが訪れるまでには、もう少し時間がかかるようです。

10.17.2008

なぜ旅先で見た映画は印象に残るのか?

旅先で見た映画は印象に残りやすい、ということを以前書きましたが、その理由が少し分かった気がします。

先日、日経BP主催、JTB協催のマーケティング・フォーラムに参加してきました。会場の日経ホールは席が非常に狭く、長時間過ごしたらエコノミークラス症候群になりそう。加えて、日経本社の7~8階ぶち抜きに位置するため、セミナー終了後のエレベーター待ちがすごい。なんて欠陥の多いホールなんだ、と憤ったというのはどうでもいいとして、なぜJTBがマーケティング?という疑問がついに明かされました。

例えば1週間前の夕食に何を食べたかは思い出せなくても、何年も前に旅先で食したものは楽しかった思い出とともに深く刻まれているもの。それは、旅行中は気分が開放的になり、ドーパミンだかの脳内物質も分泌され、意識や感覚がパワーアップしているからだそうです。

なるほど!映画が印象深いのもそういうわけか!と狭い座席で窮屈な思いをしながら、僕は膝を打ったのでした。ついでに、おせっかいながら、その裏づけに茂木健一郎さんを担ぎ出せればよかったのに、とも思ったのでした。

ちなみにJTBがやろうとしているのは、食品や化粧品などの消費財メーカーとタイアップして、旅先のホテルなどに新製品のサンプルを置いて客に試してもらい、記憶に刻んでもらおうというマーケティング手法です。まあ、言葉は悪いですが、“洗脳マーケティング”といったところでしょうか。

10.15.2008

『つまりこういうことだ!ブランドの授業』/阪本啓一

これは掛け値なしに素晴らしい本です。ブランディングの基本的な考え方をとてもよく理解できました。

生徒と講師の講義形式で話は進み、具体例がふんだんに盛り込んであるため、自社に置き換えたら?と、想像力を膨らませながら読み進めることができました。

この本でブランドにおける「パッケージ」という考え方を知ってから、カフェやレストラン、デパート、オフィスなど、あらゆる場所を見る目が変わりました。以来、物事を“賢く”見ることができるようになった気がします。

10.14.2008

『私がクマにキレた理由』

ひょうんなことからニューヨークの超セレブ一家のナニーになった主人公(スカーレット・ヨハンソン)の奮闘を描いたコメディ。

日本も格差が広がりつつあると言いますが、アメリカの金持ちはレベルが違うな、と思わされました。ただ金持ちなだけでなく、世間知らずで自己中心的。主人公に次々と無理難題を押し付ける母親の様は、『プラダを着た悪魔』の編集長と同じ。大げさに描かれていたものの、実態は大きく変わらないのでは?

その母親も、豪邸に住み、高級レストランで食事し、有閑マダムしているかと思いきや、夫の不倫に悩む。金はあっても心は満たされていない、というのが隠れたテーマではないでしょうか? その意味では、本当の主人公は母親かもしれません。

なお、邦題はThe Nanny Diariesという原題に忠実な方が良かったのでは?

http://www.kuma-kire.com/

10.13.2008

あえてお金をかけないブランディング。

先日、散歩中に良さそうなレストランを発見。

お店は2階にあるため店内は覗かなかったものの、1階に出してある看板がとても好感が持てるものでした。具体的には「当店はチャージもなく、お客様に本当においしい料理を食べていただけるよう努めます」という旨のことが手書きで書いてありました。横に貼ってある料理の写真も、いかにも素人写真という感じでお金をかけていないことが見え見え。それがかえって誠実さを感じさせ、料理もおいしそうだと思わせてしまうのだから面白い。

お洒落で洗練されたインテリア、デザイン性の高いメニューに、完璧なライティングのもとで撮られた料理写真。ブランド・ゾーンにお金をかけまくってイメージを高めるのもいいが、あえてお金をかけずに素朴さをアピールするブランディングもありだな、と思ったのでした。

10.12.2008

『転職は1億円損をする』/石渡嶺司

転職経験を有し、広い意味での人材業界に身を置く者として興味深く読ませていただきました。

早期転職のデメリットをお金に換算した点(論拠が正しいかどうかは別ですが)や、転職をあおる人材ビジネスのカラクリを白日のもとに曝した点に関しては、その勇気を称えられるべきだと思います。

が、著者の考え方に偏りがあるのは否めません。

金勘定だけを見れば、一社に長く勤めた方が得なのは自明のことですが、人が転職しようとする理由はお金だけではありません。何より、自社を相対化できず世間知らずになりやすい、という一社に居続けることのデメリットがすっぽり見落とされています。

人材ビジネスが巨大産業化することには功罪あると思います。この本も賛否両論を呼ぶことでしょう。その意味で、穿った見方をすれば、この本自体が人材ビジネスの活況に便乗したものと言えなくもありません。

社会人歴数年で何のスキルも身につけておらず、会社に貢献もできていないのに転職しようとする人を、思いとどまらせるには有効かもしれませんが。

余談ながら、ライターを名乗っている割に文章が稚拙で、誤字脱字も少なからずあった点はいただけません(出版社の責任でもありますが)。

10.09.2008

『映画の見方がわかる本』/町山智浩

『2001年宇宙の旅』『地獄の黙示録』『タクシードライバー』といった1960年代から70年代にかけてのアメリカ映画を取り上げた映画評。

必ずしもタイトル通りの内容ではなく、映画はそれ単体で理解しようと思っても限界があり、時代背景や作り手の思いなど周辺知識も知らなければ正確な理解はできない、というのが根底を流れる主張です。

実際、読んでいて目から鱗が落ちるような思いです。

例えば『2001年宇宙の旅』に出てくるモノリス。本当は人類よりはるかに高度なエイリアンが人類に道具の使い方を教えるシーンにしたかったのが、どうしてもエイリアンをうまく撮れず、やむなくモノリスにしたのだとか。

また、『地獄の黙示録』は世間で言われているほど奥の深い映画ではなく、偶然や不運が重なり、苦肉の策を繰り返した挙句、結果的に様々な解釈が可能な映画に仕上がっただけだそうな。だとすれば、かの立花隆氏が「はじめて世界文学に匹敵する映画」と力説し、上梓した『解読「地獄の黙示録」』の立場は?

『俺たちに明日はない』『卒業』『イージー・ライダー』など、いわゆるアメリカン・ニューシネマについての論考は、映画評というよりも近代アメリカの文化史・精神史を読んでいるかのよう。

とにもかくにも、読み物として非常に面白く、取り上げられている映画を見直したくなります。続編では『ブレードランナー』や『未来世紀ブラジル』を俎上に上げているとか。こちらも読まねば!

10.07.2008

『小説ヘッジファンド』/幸田真音

実態に即しているかなど、専門的なことは門外漢の僕にはよく分かりません。が、最近話題のヘッジファンドについて知るには、いい小説ではないでしょうか?

金融業界で活躍していた著者だけに、どんでん返しのストーリーや会話などは臨場感があってそれなりに楽しめました。

10.04.2008

10.01.2008

書籍審美眼が磨かれて分かった、出版不況の原因。

緊縮財政のあおりで毎月の書籍代に上限が設けられてからというもの、ある良好な変化が現れてきました。

書籍を購入する際の審美眼がかなり磨かれてきたのです。

以前は、書店やAmazonで良さそうな本を見つけると、パラパラっとめくったり、表紙が良かっただけで、中身を精査することもなく即購入していたものです。迷いが生じた場合は、「買わない本は読まない」「タイミングが重要」「これも何かの縁」などと自分を無理矢理納得させたりしながら。そのおかげで書籍代が月何万円単位になることも多々ありました。

それが最近は、「本当にこの本は自分の役に立つだろうか?」「費用対効果に優れているだろうか?」「信頼できる出版社・著者によるものだろうか?」などと、厳正な審査を行うようになったのです。

必然的に、図書館とブックオフの利用率もかなり上がりました。要は、ブックオフにまだ売りに出されていない比較的新刊、もしくは図書館では予約が半年以上先まで埋まっている人気書籍以外は新刊で買わないということです。

そんな厳格な目で書籍を見るようになってみると、本当に出版する意味があるのかどうか首を傾げざるを得ないような書籍が巷にあふれていること。

出版不況と言われて久しく、書籍離れ、メディアの多様化、紙代など原材料費高騰などがその理由に挙げられていますが、本当にお金を払ってまで読みたいと思える書籍があまりないというのが最大の要因のような気がします。

9.30.2008

歴史の証人。

アメリカ経済が本当に大変なことになっています。まさに後世から見た歴史的瞬間を目の当たりにしているのでしょう。僕らは歴史の証人になるわけです。

同時代に生きながらその意義を正確にとらえることは困難ですが、時代の息吹をつぶさに目に焼き付けておきたいものです。

9.24.2008

長距離走者の孤独。

爽やかなな秋晴れの祝日、早起きして駒沢公園を散歩してみました。

驚かされたのが、ランニングコースをたくさんの人たちが走っていること。格好や走り方がサマになっている本気のランナーから、世間話をしながらウォーキングしているとしか思えない中年まで、老若男女とにかくいっぱい。散歩している僕らの方がはるかにマイノリティなんです。

さすがに、ここまでたくさんのランナーがいると逆に興ざめです。これまで友人たちから一緒に駒沢公園を走ろうと誘われたことが何度かあるものの、「一人で走るのがいい」と丁重にお断りしていましたが、正解でした。人の少ない多摩川沿いをのんびりマイペースで走るのが僕の性に合っています。人と同じことをすることに激しい嫌悪感を示す、僕の生来の天邪鬼気質が首をもたげてきたのでした。

9.23.2008

飛べない猫はただの猫だ。

自由が丘を散歩中に出会った猫さん。

塀の上にひらりと飛んで登るのかと思いきや、老齢なのか運動神経が鈍いのか「どっこいしょ」とよじ登っていった、何ともカワイイやつでした。

9.22.2008

『フィクサー』

『ボーン・アイデンディー』の脚本で名を上げたトニー・ギルロイの初監督作品。法律事務所のモミ消し屋(フィクサー)という裏稼業の仕事ぶりやジレンマを人間味っぽさを出しながら描いています。

アメリカの大企業の暗部を告発するようなシリアスな問題作かと思いきや、ただの娯楽作品でした。というよりも、娯楽作品としても成立していないかも。

マイケル・マンの映画を見ているようなスタイリッシュな映像。が、残念ながら演出においてマンには到底及んでいません。説明不足で、予備知識なしで見たら人間関係がすぐには把握できず、ヤマ場もなかなかやってこない。個人的には主演のジョージ・クルーニー以外に見るべきものはありませんでした。

9.21.2008

カルボナーラ三昧。

軽井沢で買ってきた生ベーコン(パンチェッタ)を活かすべくカルボナーラにチャレンジしてみました。

ところが、これがなかなか難しい。卵をとろとろにしたいのに、余熱で火が通ってしまい、いり卵パスタのようになってしまうのです。

そんなんで今日は2回作りました。悔しいので、納得いくものができるまで修行は続くでしょう。かなりの高カロリー高コレステロールですが。。。

9.17.2008

疾走。

軽井沢での足はレンタサイクル。自転車って都会では危ないし邪魔になるので乗らないのですが、こういった緑の中を疾走するのは実に気持ちいい。自転車購入意欲がやや過熱しています。










9.16.2008

野菜がおいしいレストラン。

軽井沢に小旅行に行ってきました。

実はお恥ずかしながら、軽井沢ってこれまで行ったことがありませんでした。が、人生損してた、という実感です。緑あふれる自然、豊かな食べ物、気さくな人たち、と人生に必要な要素がすべて揃っているではありませんか!

泊まったホテルのレストランのキャッチフレーズは「野菜がおいしいレストラン」。看板に偽りなしです。実に素直で健やかな味です。出てくる料理すべて、野菜がテーマのような感じ。1週間分の生野菜を食した気分です。

東京駅から1時間あまりでこんな楽園のような場所に行けるなんて、今まで何やってたんだと思い、大いに反省した次第です。

http://longinghouse.jp/








9.12.2008

『21世紀の国富論』/原丈人

ものすごい本です。

ベンチャーキャピタリストとして世界中で数々のベンチャー企業を育成してきた著者が、テクノロジーの進化を通じて資本主義の未来と日本が取るべき道を示した本。表紙の「21世紀の」という文字が小さいことから、パッと見は『国富論』。かのアダム・スミスの歴史的著作に劣らないという自信があったのでしょう。

アメリカでは、ROEや時価会計主義など行き過ぎた株主偏重のおかげで、資本主義が破綻しきっていると言います。そして、そのアメリカの真似ばかりしている日本はもっとひどいと。著者がPUC(Pervasive Ubiquitous Communications)と呼ぶ次世代アーキチャクチャーはコンピュータに代わる新しい基幹産業になる可能性があり、その勃興は日本が世界から尊敬される国になるためのラストチャンスであるというのが本書の主張です。そのために提案する株式市場改革や、税率を下げる提案などが、やや説得力が不十分な印象なのですが、ものすごいビジョンを持った人だということは間違いなさそうです。こんな日本人がいるということ自体がうれしかったりします。

著者の考えは壮大すぎたり、また財務、経営、テクノロジーなど専門的な話にも切り込んでいるため、いきなり読んでも理解が及ばない部分が多いかもしれません。こちらの糸井重里さんとの対談に目を通してから本書を読むことをオススメします。

http://www.1101.com/hara/
http://www.1101.com/hara/second/index.html

9.08.2008

『サブプライム後の新資産運用―10年後に幸せになる新金融リテラシーの実践』/中原圭介

これは初心者向け資産運用本の決定打ですね。ハッキリ言って、勝間和代さんの本よりも分かりやすい。

国際分散投資と長期保有――資産運用の定石のように言われているこの法則を否定するところから始めます。なぜなら、この法則が通用した時代とはパラダイムが違うから。

個人的に気に入ったのは、大きな視点でリスクを捉えているところ。リスクと言うと個人単位でのリスクばかり考えがちですが、実は日本の財政が破綻したり、東海大地震によって日本経済が壊滅したりといった、国家レベルでのリスクも考えておくべきだと。

この著者のいいところは、文学部出身だということ。だから堅苦しい経済理論に惑わされることなく、歴史と心理学をもとに世界経済の大きな流れを見てシンプルに解説していく。だからサブプライムローン問題も予見できたそうです。

ベストセラーになっていますが、もっと売れて、評価されてしかるべきだと思います。表紙をはじめとする装丁で損していますね。あと、なぜかフォレスト出版から出ているというだけで胡散臭さを感じてしまう。。。

9.07.2008

日本サッカーのレベルが上がらない理由はテレビ放送にあり。

日本時間の昨夜行われた日本対バーレーン戦。4-0くらいで勝てた試合を3-2にまで持ち込まれた日本代表の未熟さもさることながら、テレビ朝日の実況と解説がいつもにも増してひどかった。日本サッカーがもう一つ強くなれない理由に、テレビ放送の実況&解説もあると僕は本気で思っています。

まず、しゃべりすぎです。見れば分かることはいちいち言わなくていいです。落ち着いてプレーを見ることができません。視聴者が知りたいと思うことだけを簡潔に言ってくれればよろしい。次に、実況者と解説者がアツくなりすぎです。視聴者の方がしらけるくらい。しかも、冷静さを欠いているから平気で間違ったこと言って、訂正がされないことも多いですし。あまりのひどさに音声を消したい衝動によくかられますが、さすがにスタジアムの雰囲気が伝わらないというのは味気ないので我慢しています。

実況・解説のレベルが低いから視聴者の目も肥えない→サッカーファンの底上げがなされない→日本サッカーのレベルも上がらない

こういう構図が出来上がっていると思います。

もうかなり前ですが、WOWOWでセリエAを放映していたとき、副音声では実況・解説なしでスタジアムの音声だけ聞けたと記憶しています。それを取り入れるだけで徐々に違いが表れてくると思うのですが、いかがでしょうか?

9.04.2008

野球観戦も仕事の一部?

今夜は会社の先輩と取引先の仲良しと、神宮球場にヤクルト対中日を見に行ってきました。

野球観戦は多分20年ぶりくらい。小学生のときに何度か来たことがある神宮球場がやたら小さく感じられました。また、息つく間もなく試合が展開するサッカーに比べ、野球の応援はずいぶんと牧歌的にも思えました。

試合も後半にさしかかってきた頃。それまではたわいもない話をしていた先輩が、おもむろにビデオカメラを取り出し撮影を開始しました。それも、撮っているのは試合ではなく、熱狂的なファンのいる応援席の方。そこへ、適宜解説が挟まれました。「今の走者は盗塁に失敗しましたが、ファンは誰も彼に罵声を浴びせていません。これは究極のモチベーション・コントロールです」「これだけの人数による応援が組織されるには、リーダーの統率力が大きいのです」。野球の応援まで自らの仕事の題材にしてしまうとは、さすが心理学博士! 撮影した映像は今度セミナーで使用する予定だとか。

9.03.2008

戒厳令発動。

先日、久々に我が家の家計簿を精査してみたところ、エンゲル係数が尋常ならぬ数値を指し示していることが発覚しました。

平日は自宅で料理をすることが多く、食材を冷蔵庫の中で腐らせてしまうなんていう失態もあるにはあるものの、普段の食事に関しては基本的に削る余地はあまりない。となると、ヤリ玉に上がるのが外食費。特に外では湯水のごとくビールやらワインやらを消費してしまう僕の飲酒癖が、ヨメから厳しく糾弾されたのでした。

雰囲気のいいお店でのおいしい料理とお酒、そして友人たちとの語らいは、人生を充実させるための貴重な糧。酒は百薬の長でもあるし、健康面、精神衛生面を考慮すれば適度な贅沢は許されるはず。という僕の主張は軽く無視され、いつものことながらせめぎ合いを制したのはヨメ。これからは慎ましい社交生活を余儀なくされそうです。

9.02.2008

『ウォール街』

最近僕たち夫婦の中では投資ブームが起きているのですが、その流れで再び見たくなりました。

大学生のときに見たときは、商学部生だったにも関わらずマネーの動きががよく理解できぬまま、何となくかっこいい映画くらいに思っていました。が、今回見たら、ようやくチャーリー・シーン扮する主人公のやろうとしていたことが分かりました。

この映画は何と言っても、マイケル・ダグラス扮する投資家ゲッコーがとにかくかっこいい。孫子の『兵法』を愛読書に、真理をついた名台詞を次から次へと放つ。金のためには時には非情と思える手段にも出る。それが資本主義なのだからと。この知的魅力にあふれた悪役は、『第三の男』のオーソン・ウェルスに通じるものがあると思いました。実在の人物をモデルにしていたとありますが、アメリカには本当にこんな人がいたのでしょうか。

1987年の映画なのでやや古臭さは感じてしまいますが、その本質の部分は今も変わっていません。というか、数年前の村上ファンド+ホリエモン騒動と全く同じ構図じゃないですか。つまり、日本はアメリカより20年も遅れているということ。そんな今だからこそ見る価値のある映画だと思います。

8.31.2008

朝鮮パワー炸裂。

昨夜は、在日朝鮮人の結婚式に出席してきました。非常に感動的な素晴らしい式だったのですが、中でも朝鮮人のパワーには圧倒されました。

新婦が歌を披露した場面では新郎の母がステージで縦横無尽に踊りまくり、新郎が亡き叔母に宛てた手紙を読み上げると会場の方々から嗚咽が。テレビなどで見たことはありましたが、本当に感情の起伏が激しいんですね。

感情をストレートに表現できるカルチャーって、ちょっと羨ましい。

8.28.2008

A man with the wet feet.

最近、夕方4時半頃にフロアのトイレに行くと、不思議な光景をよく目にします。小太りの中年白人男性が、洗面台のところで靴を脱いで素足を洗っているのです。大柄な体躯を折り曲げて、ふーふー言いながら。

初めて見たときは、コーヒーでもこぼしてしまい、足が濡れたのを拭いているのだと思いました。ところが、その後もことあるごとに同じ光景を目にする、しかも決まって4時半前後という規則性を鑑みると、何か重大な秘密が隠されているように思えてなりません。否が応にも興味をかきたてられます。

例えばヒゲの濃い男性諸氏は、夕方頃に洗面所にこもり、その日二度目のヒゲ剃りを行うという話を聞いたことがあります。その観点から言えば、件の白人男性は足に何らかののっぴきならない事態を抱えていることが推測できます。

仮説その一、多汗症で足が臭い。確かに見るからに発汗量の多そうなメタボ体型ではあります。

仮説その二、水虫。季節柄、猛威をふるっていることは論をまちません。

仮説その三、魚の目。ビル全体に外資金融機関が幅をきかせているのですが、フロア的に外回りのセールスではありません。とすると…?

どうでもいいことなのでこの辺にしておきましょう。一層、清水の舞台から飛び降りる思いで本人に聞いてみようかな。

8.27.2008

日本の男はなぜ“勝負弱い”のか?

日本男子の“勝負弱さ”を論じているコラムがありました。Diamond Onlineの山崎元氏の連載コラムです。

http://diamond.jp/series/yamazaki/

北京五輪で、女子はソフトボールとサッカーが好成績を収めたのに対し、男子の野球とサッカーは惨敗。もちろん男子全員がそうではないと前置きした上ですが、確かに今回の男子の野球もサッカーも共にふがいなさばかりが目立ったので恰好のネタになったのでしょう。

その要因として、物事に序列をつけないゆとり教育の弊害を挙げ、日常からして真剣勝負・競争を避ける傾向にある日本社会の風潮を憂いています。そして、これはスポーツの話に限らず、これまで日本人が得意としてきた頭脳戦においても日本男子は勝てなくなってきているのだそうです。だから、体育や美術の授業をはじめ、カードゲームやPCゲームなどにおいても、普段から勝負の要素を持ち込むことが必要だと主張しています。

僕もこの意見に概ね賛成なのですが、1点違和感があったのは、日本人同士で競い合ってもあまり意味がないのでは?ということ。世界に出たら桁はずれの勝負強さを発揮する人たちがいるわけですから。となると、やはり普段からアウェーを戦うしかないと思うのです。自分たちが海外に出られないのであれば、日本に外国人をたくさん呼び込みアウェーの状況を作り出しましょう。

8.24.2008

素晴らしきかなネットスーパー。

最近話題のネットスーパーを使ってみました。これがすばらしい! 品揃えはほぼリアル店舗と同じだし、ネットで検索できるので楽だし、その日中に届きます。送料315円(一定額以上買い物すると無料に)なので、わざわざ買い物に行くコストを考えたら安いもの。

うちの近くには大きなスーパーがないのが悩みの種でした。休日などに買いだめしようと思うと、ちょっと面倒なことになっていました。隣駅の高級デパートはあまりの値段の高さにそそくさと踵を返してきてしまうし、かといって反対方向の駅にまでわざわざ電車賃を払って行き思い荷物を持ち帰る気にもならない。そんな悩みを見事に解決してくれる心強い味方です。

8.20.2008

ブラジル女子代表のロナウジーニョ。

今回のオリンピックは女子サッカーが本当に面白いです。

先日見た女子サッカーの準決勝、ドイツ対ブラジル戦。ブラジル女子チームにロナウジーニョかと見まがうようなテクを見せる選手がいました。ついでに、どことなく顔までロナウジーニョに似てたりして(可哀そうなことに)。あれでは、さしものアメリカも決勝ではそう簡単に勝たせてもらえないでしょう。

8.19.2008

これまで遭遇したことのない食感。/ふわとろ本舗 恵比寿店

関西出身で、東京のお好み焼きに手厳しい批評を浴びせるうちのヨメも絶賛していました。

少し前に会社の飲み会で行って以来、あの食感が忘れられずにまた行ってしまいました。今回食べてもやはり幸せを感じました。

その名の通り、ふわふわでとろとろの食感がたまらないお好み焼き。山芋を多めに使っているために、これまで遭遇したことのないほどのフワフワ感が生み出せるのだそうです。一口食べただけで、じゅわ~と幸せが口腔に広がっていきます。

関東では恵比寿店だけのようで、平日でも予約が必須。さあ、皆さんも幸せの味を確かめに行きましょう。

http://www.rb-syuhari.com/main.html

8.14.2008

『ララピポ』/奥田英朗

欲望のおもむくままに生きる、社会に適応できない“下流な人々”が主人公。お下劣なシーンが続き、決して読んでいて気持ちのいい小説ではありません。でも、著者の構成力と筆力もあって、一気に読み進めてしまいました。

終盤「ララポポ」の意味が分かったときは、ちょっとジ~ンときちゃいました。世の中、色々な人たちがいていいじゃないかと。不思議と爽やかな読後感を味わえる小説です。

8.13.2008

サプライズなでしこ!

今夜のなでしこジャパンには興奮させられました。強豪ノルウェー相手に5-1の大勝! フォワードの選手が勝負を仕掛けようとするのが、見ていて清々しかったです。男子サッカーが予想通り、いや予想以上にガッカリさせられたので、こうなったら、なでしこを応援することにしましょう。

女子サッカーの方が、男子に比べてボールがよく回り、ラフプレーも少ないため、見ていて面白いとさえ思ってしまいました。数年前まで、女子サッカーは技術もパワーも物足りないと記憶していましたが、年々レベルアップしているようです。

8.12.2008

『アドルフに告ぐ』/手塚治虫

マンガを滅多に読まない僕ですが、手塚治虫は別格。中でも『アドルフに告ぐ』は、数年に一度読み返したくなる、とても奥の深い作品です。

「アドルフ・ヒトラーはユダヤ人だった」という説をモチーフに、3人のアドルフたちがたどった運命を交錯させるように描いた作品。フィクションですが、サスペンス仕立てな上に、ベルリン・オリンピックや日中戦争、真珠湾攻撃、中東戦争など史実を元にしているためリアルに感じられ、歴史の勉強にもなります。一市民の目から見た戦争というものがリアルに描かれていて、戦争を知らない世代も追体験できます。物語の狂言回しである峠草平の一途で信念を持った生き方に、心を打たれます。

なお、ヒトラー=ユダヤ人説は、その後、歴史家たちによって否定されたそうです。だからと言って、この作品の価値が貶められることはありません。

http://www.ebookjapan.jp/shop/title.asp?titleid=368

8.07.2008

『シネマ・ハント ハリウッドがつまらなくなった101の理由』/柳下毅一郎

最近はほとんど異常気象のように暑くて、休みの日も外出を避ける傾向に。すると必然的に部屋にこもって映画を見る機会が増えるわけで、最近は週4~5本ペースで映画を見ています。

そんなときのお供になるのが、この本。雑誌『Esquire』で連載されている辛口の映画評をまとめたものです。映画の内容そのものよりも、その映画が生まれた社会背景や、映画界の大きな流れを俯瞰しながら個別の作品を取り上げているのが特徴。

例えば、僕が大好きな映画『ファイト・クラブ』の評論。

文明化とは野性を失うことである。二千年かかって達成された西欧文明の世界制覇は、人類が獣性を喪失してゆく過程だと見ることもできる。人は文明によって去勢されているのだ。(中略)『ファイト・クラブ』は、去勢された男たちが自分の肉体を取り戻そうとあがく物語である。

映画評というよりも社会学のテキストを読んでいるかのような知的興奮を楽しめます。

また、副題の通り、ハリウッド大作を笑い飛ばすような辛口の論評は読んでいて爽快。

最後に、著者の言う、ハリウッド映画がダメになった理由を少しだけ。ズバリ、犯人は技術革新だそうです。つまり、労せずしていい映像を撮れるようになったがために、映画はきれいな映像をつなぎ合わせるだけのものになってしまった。観客もそれを喜んでしまった、と。

8.03.2008

『アイ・アム・レジェンド』

ウイルスに感染して人類が滅亡の危機を迎えるというのは『28日後』と同じモチーフ。エンディングは『アルマゲドン』。アメリカ人のヒーロー信奉って何なんでしょう???

実際にニューヨークの五番街を封鎖して撮影したり、最新のCGテクノロジーを駆使したりと、話題性ばかりが先行していましたが、僕にとってはボブ・マーリーの素晴らしさだけが残った映画でした。

8.02.2008

力士仕様の豪快とんこつラーメン。

うちの近所に「ドスコイ拉麺芝松」という一風変わった名のラーメン店があります。近くのちゃんこ店の系列のようです。

写真はドスコイ豚骨拉麺、1100円。ちゃんこ鍋の出汁の効いたとんこつ味のラーメンで、濃厚でコクのあるスープが特徴。チャーシューも野菜もたっぷりで、コシのある麺も食べ応えあり。味はなかなかだと思います。

しかし、その名の通り、量まで力士仕様。僕も必死になって胃袋に詰め込もうとしましたが、三分の二に到達しようか否かというところで無念のギブアップ。徐々に口数が少なくなり、何かの試練に耐えるようにひたすらズルズルとラーメンをすする僕の姿を、ヨメは奇異な目で見ていました。

一般人対象にもう少し量を減らして値段を安くできないものですかね?

8.01.2008

『8 1/2』

言わずと知れたフェリーニの代表作『8 1/2』。渋谷のシアター・イメージフォーラムで完全修復ニュープリント版を上映していたので、会社帰りに行ってきました。

前回見たのは確か高校生のときだったので、かれこれ17年くらい前。その時はわけが分からなかったのですが、少しは大人になった今ならさすがにもうちょっと理解できるだろうと思ったら、やっぱり理解不能でした。

夢なんだか現実なんだか映画なんだか分からない、主人公の映画監督グイドの頭の中のようにカオスに満ちた映像世界。ロケットをモチーフにした映画作品、美女たちに囲まれるハーレム願望、優柔不断だけどモテる優男のグイド。男の欲望を体現したような映像が続くと思ったら突然の変調。最後はかの有名な「人生は祭りだ」のセリフで締めくくる。

理解はできなくても、映画史に残る名作だと言われる所以は、よく分かります。

7.31.2008

『キカ』

赤、黄色、オレンジといった原色に彩られたインテリア。モラルを軽く無視し、それぞれに嘘を抱えながら生きる登場人物たち。これぞ芸術&情熱の国スペイン、と思えるような激しい映画でした。

通常の精神状態ではとても見られるような映画ではありませんが、もやもやしたものを吹き飛ばしたいときや、芸術的な息吹を感じたいときにピッタリかも。何が起ころうと前向きでたくましいキカの姿にスペインの底力を感じ、心が揺さぶられます。

7.30.2008

団達也はまだ行く。

日経ビジネスオンラインで1年にわたって連載していた「熱血!会計物語 ~経理課長、団達也が行く」がついに最終回を迎えました。

同族経営の中小メーカーを舞台に、偽装会計を暴く主人公の経理課長の姿を通して管理会計について学べるという連載小説。はっきり言って文章は下手でしたが(それともウェブ用にあえて読みやすいように“稚拙な”表現を多用していたのでしょうか?)、サスペンス仕立ての内容は病みつきになり、毎週水曜日の更新を楽しみにしていたものです。そして最後は、会計だけでなく人間の本質にたどりつくというディープな内容。確かに、いい勉強になりました。

と思いきや、この秋から第2部が始まるとか。よほど好評だったのでしょうね。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/pba/20070627/128443/

7.24.2008

ビールのおいしい季節に肝に銘じたいこと。

先日ほんの出来心で発泡酒を購入してしまいました。いや、第三のビールとやらかもしれません。まあ、どちらでもいいのですが、要はとても不味くて大いに後悔したという話です。

この発泡酒だか第三のビールだかに関しては、一度書かねばと思っていました。結論から言えば、これらは絶対に飲んではいけません。なぜなら、これらは麦芽にかかる税率を巧みに利用して価格を抑えたビールの廉価版。いや、ハッキリ言ってしまえば、法の目をかいくぐって作った“まがい物”です。

いつぞや、中国にディズニーランドをパクった遊園地ができたとき、多くの日本人はそんな偽物を作る中国人を笑いました。でも、ビールの本場の国の人たちからすれば、日本人も同じ穴のムジナに思えるはずです。

そもそもはこんなものを作るビール会社がいけないのですが、それを飲む消費者はもっといけません。結局、消費者が飲むから、ビール会社も発売するわけです。「こんな不味い偽物、飲めるか!」と消費者が拒否反応を示さなければいけません。

今をときめくアートディレクターの佐藤可士和さんも以前発泡酒の仕事を請け負い、缶のデザインや広告やらを作成していましたが、これは彼の汚点として後世に残るでしょう。彼はこの仕事を断るべきでした。日本を代表するアートディレクターともあろうものが、まがい物の片棒を担ぐなんてことは許されないのです。

話をビールに戻せば、日本にはサントリーのプレミアムモルツ、キリンの一番搾り、アサヒスーパードライ、エビスビールといった、日本の気候にピッタリ合う優れたビールがたくさんあります。これら本物を飲むことでアルコール文化の品格を保たねば、先進国とは呼べないでしょう。

インフレとか家計が厳しいとかを言い訳にしてはいけません。それならそれで量を減らすとか他を削るとか、別の対策を立てれば済むこと。やるなら本物をやる、というだけのことです。断固、発泡酒と第三のビールは拒否しましょう。

7.22.2008

都会の秘境へ。

ここが東京23区内?と思ってしまうような渓谷が世田谷区の等々力にありました。都会の喧騒を離れ、森林浴。心が洗われるようです。

でも、川はよどんでいて汚かったです。。。このあたりはやはり東京。

7.18.2008

暑さは辛さで撃退!/蒼龍唐玉堂 目黒店

あまりの暑さに業を煮やした僕は、あるテーマに挑戦することにしました。

それは、ランチタイムにこの炎天下の中、目黒駅までオフィスから片道約15分の道のりを歩き、激辛の坦々麺を食べて帰ってくるというもの。暑さを辛さで撃退する――言ってみれば、毒を以って毒を制すのです。

今回お邪魔したのは『蒼龍唐玉堂』目黒店。目黒駅の権之助坂途中の右側にあります。

11:45 オフィス出発。行きの足取りは軽やか。
12:00 店到着。メニューには写真がなかったものの、名前からして辛そうな「紅坦々麺」をオーダー。
12:05 注文の品到着。唐辛子と油がブレンドされ真っ赤に染まったスープに絶句。しかし口にしてみると、ただ辛いだけでなく山椒が効いていて独特の旨みが。
12:10 じわりと汗が出てくる。器官に入った瞬間せき込み、ゲームセットとなることは目に見えていたので、緊張感を漂わせながら頂く。
12:15 サービスライスと坦々麺のスープの相性がいいことを発見。さらに食が進む。
12:20 山場を乗り越え、勝利を確信。やめときゃいいのに、スープ全部平らげ完食。
12:25 三半規管が刺激されたせいか、やや平衡感覚を失いながら帰途へ。
12:40 無事オフィス帰着。すぐに身体もクールダウン。

終わってみれば、ランチも楽しめ、適度な汗をかいていいエクセサイズにもなるという、一石二鳥のお昼休みでした。病み付きになりそう。

http://www.kiwa-group.co.jp/restaurant/l6_a100129.html

7.17.2008

『相棒 -劇場版- 絶体絶命! 42.195km 東京ビッグシティマラソン』

ドラマが話題になっていることは知っていたものの、見たことのなかった『相棒』。劇場版をたまたま飛行機の中で見ました。結論から言えば、めちゃめちゃ面白かったです。

次から次へと殺されていく著名人。現場に残された謎の記号。ネット上の掲示板やチェスの対局に隠された犯人からの犯行予告。次第に犯人の動機がおぼろげながら見えてきて…。犯人の掲げる“正義”が明らかになったときなど、消灯中の機内で思わず泣きそうになってしまいました。そして見終わった後は、機内のコントローラでチェスをやっていました。

余談ですが、飛行機の中で見た映画って意外と印象に残る気がします。どんな環境で見たかが容易に思い起こせるのに加え、旅の途上ということで気持ちが高ぶったり感傷的になったりしているからでしょうか。

http://www.aibou-movie.jp/

7.16.2008

『察知力』/中村俊輔

「がんばる」――これほど嫌いな日本語はありません。

最近ではオリンピック代表に選ばれた選手たちがこれを連呼していて、聞くたびに嫌気が差します。この言葉、抽象的すぎて、何をどれだけすれば「がんばった」ことになるのかが全く不明です。この言葉を口にするような人は、率直に言って大したことのない人でしょう。根性論・精神論でしか物事に対処できていないであろうから。自分の課題をきちんと言語化できていないであろうから。

さて、この本。中村俊輔は「がんばる」という言葉を一度も使っていません。代わりに、「監督の考えを察知する」「相手選手の意図を察知する」「相手選手よりも先に動き出す」「あえて厳しい環境を選ぶ」というように具体的・戦略的に言い換えています。本書に出てくる言葉遣いにも、ピッチ上でのプレー同様に俊輔ならではのこだわりが見られます。これが一流と、そうでない選手の違いなのでしょう。

希代のファンタジスタがいかに「努力」しているのか。サッカー好きだけでなく、一般の人が読んでも、努力するためのヒントが得られるはずです。

7.15.2008

アメリカ人高校生が教えてくれたこと。

先日出社したら、隣の席にインド系アメリカ人の男性が座っていました。

なんと17歳の高校生。夏休みの間3週間ほど、インターンとしてうちの会社に勉強しに来ているとのこと。聞くところによると、両親ともに著名な学者さんで、とてつもないインテリ一家だそうな。言われてみれば、ひねもすパソコンに向かって一心不乱にカタカタと何か打ち込んでいる姿からは、将来の学者の片鱗を感じさせます。

でも、彼の言動はアメリカの高校生そのもの。一緒にランチに行ったら早口の英語でまくしたてるわ、鞄を平気で通路のど真ん中に置くわ、勤務時間中にもかかわらず携帯をマナーモードにしておらず、大音量で携帯の着信音が鳴ってはこれまた大声のヒンディー語らしき言葉で私語をするわ(もちろん理解不能ですが)。周囲の社員たちが徐々に苛立ってきているのが、パーテーションの向こうからでも感じられます。当の本人は天真爛漫で何の罪悪感も感じていないのでしょうが。

アメリカ人って自由だな、と思うと同時に、日本人って神経質だな、とも思う今日この頃です。

7.14.2008

アップルとソフトバンクに物申す。

最近流れているiPhoneのCM、どうせならソフトバンクの犬がスティーブ・ジョブズに喝を入れているものが見たかった。

7.11.2008

イギリス映画の聖地、訪問。

ロンドン郊外にあるPinewood Studio。ここはとても歴史のある映画スタジオで、著名なイギリス映画が多く撮影されています。敷地内には巨大なスタジオが林立しているほか、きれいな芝生や緑もあり、そのまま撮影に使えそうな雰囲気。最近で言えば、007のCasino Royaleのヴェニスで建物が倒壊するシーンはここにセットを組み立てて撮影したそうです。

実は僕の友人のミュージシャンが、ここにスタジオを借りて映画音楽の仕事をしているのです。






この部屋はかのスタンリー・キューブリックがかつて試写室として使っていたほか、Pink FloydのThe Wallというアルバムのミキシングも行われたとのこと。もちろん内部はリニューアルされていますが、扉は当時のまま。重厚な雰囲気に重みを感じます。






Pinewood Studiosで撮影された映画はこちらで検索できます。
http://www.pinewoodgroup.com/gen/production_filmography_default.aspx?page=185&folder=2&?id=185

7.07.2008

英国貴族の結婚式に出席してきました!

Westminster(国会議事堂)というロンドンの象徴的な建物で、着飾った紳士淑女たちが出席する結婚式。映画の世界に紛れ込んだかのような、まさに夢のような1日でした。

結婚したのは、10数年来の仲良しである日本人女性とイギリス人男性。新郎の父がHouse of Lords(貴族院)に所属しているため、Westminsterという一般の人はなかなか入れないような場所での結婚式となったわけです。こんな希有な機会、逃すわけにはいきません。勇んで日本から飛んできました。

ドレスコードは「モーニングもしくはラウンジ・スーツ(まあ、普通のスーツのことです)」。せっかくの機会なので、もちろんモーニングで。一世一代の仮装大賞ですもん。前日にレンタルショップに借りに行きました。驚かされたのは、店員の仕事の早さ。その店員は、いわゆる絵に描いたような初老のイギリス人男性。目的を聞き、僕の背格好を見た瞬間、ちゃちゃっと衣装をセレクト。試着してみるとサイズも完璧。西欧人体型の衣装ばかりで、自分に合うサイズはないんじゃないかという不安は杞憂に終わりました。入店してから出るまで、ものの5分も経っていないでしょう。無駄な動きが一切ない完璧な仕事ぶりに、英国の伝統を感じました。

前夜、酒を飲みながら食事しているところへ新婦から電話が。なんと、突如アッシャーという案内係を頼まれることに! 当初担当することになっていた人が、遅れてしまうことが判明したとのこと。日本から来ている僕がイギリスやヨーロッパからの出席者を案内するというのも変な気がしますし、やり方も段取りも分かっていないだけに心配にはなりましたが、これはこれで貴重な経験。何より新婦の役に立てるだけに、喜んで引き受けました。

いよいよ当日。14時、観光客の波を押し分け、式の1時間前にWestminsterの通用口に到着。セキュリティチェックを受けてビッグベンの下の大聖堂へと足を踏み入れました。そこには、すでに新郎側の親族やベストマン(新郎の付添人。一番の親友に頼むことが多いようです)が。シルクハットをかぶった品格あふれる男性や、つばの長い帽子をかぶった婦人たちがいて、緊張は極限に。でも、皆さんとてもフレンドリーに挨拶してくれたりして、すぐにリラックスすることができました。

15時の式の時間が近づくと、徐々に出席者たちが来場してきました。アッシャーやってよかったのは、出席者たちと一通り挨拶ができたこと。もちろん軽い会釈程度ですが、様々な人種・国籍の人たちと笑顔で挨拶できるというのは気持ちのいいものです。中には10数年振りに顔を会わせる旧友もいたり。出席者たちを礼拝堂へと案内し、無事にアッシャーの仕事を完了。アッシャー用の席で、式の様子を最前列で目にするという栄誉にまで恵まれました。

非常にイギリス的だなと思ったのが、家族関係。新郎側の家庭環境がやや複雑と言いますか、父と産みの母が離婚しているのですが、当然のごとくそれぞれの連れ合いが出席しているのです。つまり継母だったり、異母弟妹だったり、その従兄弟だったり、さらにその従兄弟だったりと、家系図でも書いてもらわなければ理解できないような複雑な背景を持った人たちが楽しげに談笑したり、仲良く親族写真に収まったりしているのです。血縁に潔癖さを求める日本では、ちょっと考えられないかも?

荘厳な式が終わると、議事堂見学を経て、Westminster内のラウンジでのカクテルパーティー開始。テムズ川脇のテラスで、London EyeやCity Hallを望む絶好のロケーションでシャンペンを飲む。こんな贅沢に与っていいのでしょうか? 感涙です。最後の方では新郎の父によるスピーチが。ウィキペディアによれば、貴族院は「世界で最高の演説が聞ける場所と評する論者がいる」そうですが、本当に素晴らしいスピーチでした。「私と新婦の父には多くの共通点があることが今日判明しました。生まれた年、身長、そして素晴らしい息子・娘がいることです」。最初の一言で出席者たちの心をつかむと、ユーモアを交えたり、この日誕生日を迎えた子どもへハッピーバースデイの歌を贈ったりしながらのスピーチ。さすがです。

カクテルパーティーが終わると、ダブルデッカー(二階建てバス)を貸し切りロンドン観光をしながら披露宴会場へと向かいました。ちなみに、新郎新婦はピンクのロールスロイス。








披露宴は、これまた豪華な会員制のクラブで。日本みたいに、新婦が父への手紙を読むといったお涙ちょうだい系の演出は一切なし。代わりに、新婦の父のスピーチがあったのですが、これまた素晴らしいものでした。「私はティピカルな日本人です」というつかみの言葉で笑いを誘うと、メモも見ずに英語で堂々たるスピーチ。さすが、中東など海外に長く赴任していたビジネスマンです。その後スピーチしたベストマンが「私はメモを見ながらですみません」と断りを入れたほどでした。

イギリスの結婚式は余計な演出がなく、新郎新婦とゆっくりお話しできるのがいいです。近くのホテルのロビーで午前3時半まで飲み、長く夢のような1日は幕を閉じたのでした。

7.04.2008

ロンドン初日。

ロンドンについた瞬間、non-Englishの多さにビックリ。アジアやインド方面からの着陸が多い、Terminal3だからというのもありますが。

いい天気!と思ったら、あっという間に雲行きが怪しくなりシャワーが。これもイギリス的。

晩ご飯は、インド料理店でカレーを。からいけど、うまい。

そんなティピカルなロンドン初日でした。

7.03.2008

Flying to London!

今大会のユーロは本当に面白い大会でした。よく言われているように、比較的涼しいスイス、オーストリアで開催されたために、運動量の多い熱戦が繰り広げられたのでしょうか。連日、早朝3時半に起きて試合を見て1時間ほど眠ってから会社に行く、延長戦になったときはそのまま出社、なんて無茶な生活も終わりました。

そんなユーロの興奮冷めやらぬ中、ロンドンに行ってきます! 日本にいながらにしてヨーロッパタイムで生活していたようなものだから、時差ボケ対策もバッチリなはず。たった6日間のショートトリップですが、満喫してきます!

成田発のフライトが取れなかったがために、なぜか関西空港より。

6.30.2008

『007 カジノ・ロワイヤル』

こんなのは007じゃないです。。。

これは、007の新人時代を描いた映画。内通者2人を殺し、「00」に昇格したばかりのジェームズ・ボンド。

“新人”と言っても、もちろん新卒などではなく、おそらくアシスタント的な仕事に従事していたので、年齢的には30代半ばといったところでしょうか? いや、もしかしたら全く違う仕事していたのを、スパイへの憧れが捨てられずに転職したのかもしれませんし、公務員として勤務していたところ、スパイとしての適性を見抜かれ職種変更したのかもしれません。

まあ、そんなことはどうでもいいのですが、まだ若く血気盛んなボンドは、組織の命令を無視して向こう見ずな行動に出たりしてしまうわけです。ところが、経験が浅いだけに、人を信用した挙句裏切られてしまったり。。。

ストーリーはいいとしましょう。問題は演出です。何なんでしょうこのシリアスな雰囲気は? 確かにニュー・ボンド役のダニエル・クレイグはかっこいいです。でも、あまりに隙がなさすぎて、人間味は感じられません。カジノでのカードゲームのシーンをあんなに長くやる必要はあったのでしょうか? ちなみに僕はバカラというゲームのルールを知らないので、さっぱり理解できませんでした。敵に捕らわれて拷問されるシーンなんて、見ていて本当に気持ち悪くなりました。007の魅力って、そんなところにはないでしょうに。

僕は忘れません、イギリスの映画館で007を見たときのことを。ものすごいアクロバットを見せ、人がバタバタと死んでいくアクション・シーンにもかかわらず、映画館は爆笑の渦に包まれていたのでした。ボンドがあり得ない状況から無事に帰還したシーンなんて、スタンディング・オベーションです。

そう、007シリーズはイギリス人にとってコメディなのです。皆、笑いを求めに来ているのです。なのに、今回の製作者は何を考えているのやら。マンネリを打破したいという思惑は感じられましたが、これはもはや別モノです。すぐに元の路線に戻すことを要求します!

6.28.2008

『スティーブ・ジョブズ 神の交渉力』/竹内 一正

ビジネス界の異端児スティーブ・ジョブズの仕事ぶりを「交渉力」という切り口から紹介した本です。面白いアイデアだとは思うのですが、ジョブズの伝記としては物足りなく、ビジネス書として仕事に活用しようにもジョブズの言動があまりに常人離れしていて役立てられません。結局どっちつかずに終わってしまっている、というのが僕の正直な感想です。

2007年に同じ著者・出版社から刊行された『スティーブ・ジョブズ 神の交渉術』を読者の要望に応じて再編集したとありますが、一体どんな要望だったのでしょうか…?

本書が役に立たない理由は2つあります。

1つはジョブズ自身があまりにエキセントリックな人物だろうということ。エレベーターに乗っている間のスモールトークで満足のいく回答が返ってこなかっただけで社員をクビにすることもある、というのは他の本でも読んだことがあります。が、ものすごいスピーチで形勢を逆転しただとか、ホワイトボードに自分以外の人が書き込もうとしただけでその人物をクビにしただとか、どこまで信じていいのか分かりません。

また、これらは2つ目の理由につながるのですが、著者がジョブズに心酔しきっているため、バイアスのかかった書き方になっていると思わざるを得ないこと。ジョブズの武勇伝の数々が、コンテクストもなしに事象だけ取り上げられているので眉唾に感じてしまいます。さらに際立たせようと、「普通は」とか「凡人は」という言葉をやたら使いまくっているのも興ざめです。

ジョブズはジョブズだからいいのです。一般の人がジョブズの真似なぞしたら、とんでもないことになることは容易に想像がつくでしょう。

6.27.2008

『フォー・ウェディング』

来週、イギリス人男性と日本人女性のカップルの結婚式に出席するためにロンドンに行きます。

イギリスの結婚式と言えば、はるか15年前に出席して以来なのですごく楽しみです。しかも当時は日本の結婚式すらほとんど出席したことがなく、日英の違いもよく分からずじまい。どんな服装をしていけばいいのか? どんなお祝いの言葉をかければいいのか? など、赤っ恥をかかないようにしたいもの。そこで予習を、と思って借りてきたのがこの映画です。

結論から言えば、あまり役に立ちませんでした。なぜって、皮肉たっぷりのちょいおバカコメディだから。

ベストマン(新郎の付添人)のヒュー・グラントは、相手を褒めるどころかシニカルな言葉を発してばかり(ある種、とてもイギリス的と言えばそうですが)。そう言えば、ヒュー・グラントが二枚目役を捨て、ラブコメ路線を突っ走るきかっけとなった映画だったと記憶しています。おまけに神父役としてローワン・アトキンソン(Mr.Beanです)まで出てきた日には、どんな映画かある程度想像がつくでしょう。

この映画のヒュー・グラントのようなセリフを言ったら殺されるだろうな。

6.26.2008

『フリーペーパーの衝撃』/稲垣太郎

「多メディア時代の『タダ』ならぬ存在!」と駄洒落交じりの帯のコピーとは裏腹に、中身は大真面目な本です。

『R25』『Metro Minutes』など今でこそ当たり前のように手にするフリーペーパーですが、その発行と採算ベースに乗せるまでには並々ならぬ困難があったことが、この本を読むと分かります。

その背景にあるのは、既存紙メディアの閉鎖性。ざっと印象に残った文言を挙げただけでも、これだけあります。
・「電車のホームでは気をつけろ」「女房子どもを実家に帰したか」などと日刊無料紙の発行準備中から脅しの電話が
・売店の売上が落ちるからと、当初は駅にラックを設置してもらえない
・無料誌は実は民法テレビと同じビジネスモデルなのに、広告主の理解を得られない
・だから無料誌ビジネスに携わっている人は、ほとんどが既成のやり方にとらわれない異業種からの転身者

残念だったのは、文体。論文っぽいというか、やや堅苦しい印象を受け、決して読みやすくはないのです。だからか、個人的に一番興味をかきたてられたのは、雑誌論の第一人者である電通の吉良俊彦氏との対談である最終章でした。

インターネット以外で既存メディアによる支配を揺るがす胎動の存在を知っておくことは、価値があることだと思います。

6.25.2008

サッカー監督について思うこと。

先日の日本対バーレーン戦を見て一番印象に残ったこと。それは、ヘボヘボの日本代表ではなく、目を疑うようなミスで終了間際に失点したバーレーンのGKでもなく、外見には全く無頓着なのだと思っていたあの岡田監督が洒落っ気たっぷりに爽やかな水色の眼鏡をかけていたことでした。

Euroを見ていても、ヨーロッパの代表監督ってファッションも立居振舞もサマになっていてかっこいいです。

例えば、クロアチアのビリッチ監督。現役ロック・ミュージシャンでもあり、とにかく熱い伊達男です。得点シーンのガッツポーズや惜しくもゴールを逃したときのリアクションも選手以上に大げさ。トルコ戦で延長終了間際にゴールを奪ったときなんて、誰よりも大はしゃぎしながら駆け回っていたのが微笑ましかったです。その直後に地獄を見ることになるわけですが。

また、イタリアのドナドーニ監督。現役時代はモジャモジャヘアに無精ひげのどちらかと言えば小汚いラテン系男でしたが、監督になってからは白髪交じりのヘアと整えられたひげにスーツ姿が風格あふれる、ちょいワルオヤジへと見事に変貌しました。

そして、フランスのドメネク監督。風貌は眼鏡にこだわりが見られる以外はお世辞にもかっこいいとは言えませんが、記者会見でのエスプリの利いたコメントなどに独自の美学が感じられます。敗退した直後に恋人にプロポーズするという厚顔無恥さからも、自分のスタイルを貫く強心臓ぶりがうかがえます。

岡田監督も、眼鏡の次は、試合中に着ている日曜日のお父さんみたいなジャージ姿をやめてはいかがでしょう?

6.24.2008

『ザ・マジックアワー』

これは傑作です! 約2時間の上映中、あきることもなく、笑い続けた映画は久々でした。

この映画が面白いのは、すべての要素が大げさなくらいに“作り物”っぽいから。

マフィアのボスの女に手を出してしまったことから、組織に追われる身となった口から出任せ男(妻夫木聡)。その男に「伝説の殺し屋を演じてほしい」と言われ、映画の撮影だと信じきったまま自己陶酔の世界をひた走る売れない役者(佐藤浩市)。明らかにドン・コルレオーネを意識しているマフィアのボス(西田敏行)。そして、3人の男を翻弄する魔性の女(深津絵里)。これら主要登場人物のキャラが立っているから、分かりやすいのです。

それに加え、安っぽいセット(もちろん意図的)も、脇役たちも、いい味を出しています。脚本も、すべての場面が後になって意味を帯びてくるなど無駄がありません。『カサブランカ』『ゴッドファーザー』などのパロディ(いや、オマージュか)と思われる場面もあり、笑えます。中でも、クールで“できる男”のイメージをかなぐり捨てた佐藤浩市の一世一代の名演技は必見です!

どれもフィクションだと分かりきっているからこそ、安心して笑うことができます。三谷幸喜、やりますな。

http://www.magic-hour.jp/

6.23.2008

『勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力』/勝間和代

勝間和代さんの存在意義は、権威をぶち壊したことではないでしょうか? 金融や外資コンサルなど、これまでどちらかと言えば専門性が必要とされ権威に守られていた分野を、白日の下にさらしてくれました。分かりやすく丁寧に説明することで、誰もがそのさわりに触れることができるようにしてくれたわけです。

勝間本に共通するのは、身近でキャッチーなフレーズを多用して、専門用語を分かりやすく解説している点(これを「内容が薄い」と言って批判するのは筋違いです)。そして、専門書やWebを紹介することで、読者がさらに勉強できるようにしている点です。

情報の囲い込みから公開へ。一人で何もかもやろうとするのではなく、専門家の英知に託す。言ってみれば、Web2.0です。本人も「自分をグーグル化する方法」などと、Web2.0を意識した言葉遣いをしています。Web2.0が浸透しつつあるこの時代にWeb2.0的な経済評論家・作家が登場したのは、時代の要請だったのでしょう。

この本は、そんな勝間和代さんの頭の中を覗いてみたかのような一冊。知的権威の象徴であるかのような外資コンサルの思考力を、平易な言葉で説明してくれています。これを活かすかどうかは読んだ人次第。勝間さんは、その役割を十分に果たしていると思います。

急に売れっ子になったことへのやっかみから様々な誹謗中傷も受けたのでしょうか。さりげない反論が本書の中にもちりばめられていました(笑)。

6.22.2008

ロシア3:1オランダ

オランダ負けてしまいましたね。。。

というか、ロシア恐るべし。ポジショニングがいいんだか、体力があるのだか、ピッチに11人以上立っているんじゃないかと思えるくらい色々なところに選手が顔を出していました。延長後半に入ってもぶっちぎる、あの無尽蔵のスタミナとスピードは何なんだという感じです。特に目立ったのが、ゼニト・サンクトペテルブルク所属のアルシャヴィン。小柄ながら驚異的なスピードと突破力の持ち主です。この夏の移籍市場を大いににぎわすことでしょう。そして、ヒディンク監督。どのチームを率いても結果を出すって、まさにマジシャンです。

オランダはここまで好調だっただけにショッキングです。せっかくアムステルダム在住のTheo氏から、オランダは狂ったように盛り上がっているという報告を受けていたのに。写真まで送ってもらっていたので、せっかくだから載せさせていただきます(ただし、これはスイスのベルンだそうです)。