3.31.2009

春の訪れ。

2007年からずっとペンディングになっていたプロジェクトが1年半の眠りからようやく覚め、ついに動き出しました(何度目?)。途中何度もローンチの話があがり、その度に打ち合わせやスケジュール作成を重ねてきたものの、延期を繰り返し、狼少年と化していたプロジェクト。感激です。

3.29.2009

『告発のとき』

「イタリア300年の政争はルネッサンスを生んだ。スイス500年の平和は鳩時計を生んだだけだ」とは映画『第三の男』の悪役ハリー・ライムの名台詞。戦争を題材にした優れた作品を目にするたびに、この名言を思い起こします。

この映画を見たときもそう。イラク帰還兵の失踪事件の真相を父親が追い、次第に息子がイラクで体験した壮絶な事態に行きつくという映画。父自身、元憲兵で熱烈な愛国主義者。ところが事件を調べるうちに、今の米国がどうしようもなく病んでいることを痛感するようになります。それを象徴するのが逆さに掲げられた星条旗。これは「どうにもならない、助けてくれ」という救難信号を示します。

イラク帰還兵の間にPTSD(心的外傷ストレス障害)が急増しているという事実を知った映画監督兼脚本家のポール・ハギスは、この話を映画にしなければいけないと痛切したそうです。周囲の反対を押し切ってアメリカを告発するような作品を撮り上げた彼の勇気に拍手です。

ただ、せっかくのいい映画なのに邦題が意味不明。原題はIn the Valley of Elahで、聖書に出てくるダビデとゴリアテの戦いの場所、今のイラクを指します。これはアメリカという巨大権力に映像作品という飛び道具で立ち向かう、ポール・ハギス自身のメタファーでもあります。

3.20.2009

『ディパーテッド』

『インファナル・アフェア』のハリウッド版リメイク。アメリカ人ってほんと分かりやすいストーリーが好きなんだと思うようなエンディングで、駄作でした。

レオナルド・ディカプリオとマット・デイモンが似ていて、どっちがどっちだか分からなくなることがあったのは、僕だけでしょうか?

3.12.2009

花粉症シーズン真っ盛り。

花粉症シーズン真っ盛り。今年は昨年に比べ花粉量が10分の1程度と少なめのようで、僕に限って言えば、くしゃみ・鼻水は大したことありません。その代わり、別の困った症状が。やたらと頭がぼーっとするのです。電車に乗っていても、歩いていても、デスクに座って仕事していても。突然くらっときてバランスを失いそうになったり、仕事にもいまひとつ集中しきれなかったり。何かいい薬ないかしら。

3.08.2009

『クレイマー、クレイマー』

仕事一筋で家庭を顧みない夫、専業主婦でい続ける自分に疑問を抱く妻。

夫婦間の永遠のテーマとも言える題材を無駄なく練り上げた脚本。ダスティン・ホフマン、メリル・ストリープという言わずと知れた演技派たちに加え、8歳にしてアカデミー賞助演男優賞にノミネートされた子役も含めた名演(迫真に迫った演技を生み出すため、ダスティン・ホフマンはメリル・ストリープのほっぺを叩いたりしたそうです)。冬のニューヨークの街並みに、どこかノスタルジックな音楽。良い映画を構成する要素がこれだけ揃えば、とびきり素晴らしい映画ができることは間違いありません。

余談ですが、夫婦(カップル)で見ると、男性視点、女性視点と面白いように評価が分かれます。

3.01.2009

『一流の人は空気を読まない』/堀紘一

「空気を読まないことの重要性」という切り口で書かれた、実質的な堀さんの自伝です。テレビで見る堀さんは、歯に衣着せぬ物言いでインパクト大ですが、この本もそんな雰囲気に包まれています。

第1章と第2章は、よく見聞きする現状の日本批判。取り立てて新しい内容はないように思いました。ところが第3章以降、堀さん自身の経験談を交え出してから、一気に話が具体性と説得力を増し、面白くなりました。

勇気が湧いてくる本だと思います。