7.31.2008

『キカ』

赤、黄色、オレンジといった原色に彩られたインテリア。モラルを軽く無視し、それぞれに嘘を抱えながら生きる登場人物たち。これぞ芸術&情熱の国スペイン、と思えるような激しい映画でした。

通常の精神状態ではとても見られるような映画ではありませんが、もやもやしたものを吹き飛ばしたいときや、芸術的な息吹を感じたいときにピッタリかも。何が起ころうと前向きでたくましいキカの姿にスペインの底力を感じ、心が揺さぶられます。

7.30.2008

団達也はまだ行く。

日経ビジネスオンラインで1年にわたって連載していた「熱血!会計物語 ~経理課長、団達也が行く」がついに最終回を迎えました。

同族経営の中小メーカーを舞台に、偽装会計を暴く主人公の経理課長の姿を通して管理会計について学べるという連載小説。はっきり言って文章は下手でしたが(それともウェブ用にあえて読みやすいように“稚拙な”表現を多用していたのでしょうか?)、サスペンス仕立ての内容は病みつきになり、毎週水曜日の更新を楽しみにしていたものです。そして最後は、会計だけでなく人間の本質にたどりつくというディープな内容。確かに、いい勉強になりました。

と思いきや、この秋から第2部が始まるとか。よほど好評だったのでしょうね。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/pba/20070627/128443/

7.24.2008

ビールのおいしい季節に肝に銘じたいこと。

先日ほんの出来心で発泡酒を購入してしまいました。いや、第三のビールとやらかもしれません。まあ、どちらでもいいのですが、要はとても不味くて大いに後悔したという話です。

この発泡酒だか第三のビールだかに関しては、一度書かねばと思っていました。結論から言えば、これらは絶対に飲んではいけません。なぜなら、これらは麦芽にかかる税率を巧みに利用して価格を抑えたビールの廉価版。いや、ハッキリ言ってしまえば、法の目をかいくぐって作った“まがい物”です。

いつぞや、中国にディズニーランドをパクった遊園地ができたとき、多くの日本人はそんな偽物を作る中国人を笑いました。でも、ビールの本場の国の人たちからすれば、日本人も同じ穴のムジナに思えるはずです。

そもそもはこんなものを作るビール会社がいけないのですが、それを飲む消費者はもっといけません。結局、消費者が飲むから、ビール会社も発売するわけです。「こんな不味い偽物、飲めるか!」と消費者が拒否反応を示さなければいけません。

今をときめくアートディレクターの佐藤可士和さんも以前発泡酒の仕事を請け負い、缶のデザインや広告やらを作成していましたが、これは彼の汚点として後世に残るでしょう。彼はこの仕事を断るべきでした。日本を代表するアートディレクターともあろうものが、まがい物の片棒を担ぐなんてことは許されないのです。

話をビールに戻せば、日本にはサントリーのプレミアムモルツ、キリンの一番搾り、アサヒスーパードライ、エビスビールといった、日本の気候にピッタリ合う優れたビールがたくさんあります。これら本物を飲むことでアルコール文化の品格を保たねば、先進国とは呼べないでしょう。

インフレとか家計が厳しいとかを言い訳にしてはいけません。それならそれで量を減らすとか他を削るとか、別の対策を立てれば済むこと。やるなら本物をやる、というだけのことです。断固、発泡酒と第三のビールは拒否しましょう。

7.22.2008

都会の秘境へ。

ここが東京23区内?と思ってしまうような渓谷が世田谷区の等々力にありました。都会の喧騒を離れ、森林浴。心が洗われるようです。

でも、川はよどんでいて汚かったです。。。このあたりはやはり東京。

7.18.2008

暑さは辛さで撃退!/蒼龍唐玉堂 目黒店

あまりの暑さに業を煮やした僕は、あるテーマに挑戦することにしました。

それは、ランチタイムにこの炎天下の中、目黒駅までオフィスから片道約15分の道のりを歩き、激辛の坦々麺を食べて帰ってくるというもの。暑さを辛さで撃退する――言ってみれば、毒を以って毒を制すのです。

今回お邪魔したのは『蒼龍唐玉堂』目黒店。目黒駅の権之助坂途中の右側にあります。

11:45 オフィス出発。行きの足取りは軽やか。
12:00 店到着。メニューには写真がなかったものの、名前からして辛そうな「紅坦々麺」をオーダー。
12:05 注文の品到着。唐辛子と油がブレンドされ真っ赤に染まったスープに絶句。しかし口にしてみると、ただ辛いだけでなく山椒が効いていて独特の旨みが。
12:10 じわりと汗が出てくる。器官に入った瞬間せき込み、ゲームセットとなることは目に見えていたので、緊張感を漂わせながら頂く。
12:15 サービスライスと坦々麺のスープの相性がいいことを発見。さらに食が進む。
12:20 山場を乗り越え、勝利を確信。やめときゃいいのに、スープ全部平らげ完食。
12:25 三半規管が刺激されたせいか、やや平衡感覚を失いながら帰途へ。
12:40 無事オフィス帰着。すぐに身体もクールダウン。

終わってみれば、ランチも楽しめ、適度な汗をかいていいエクセサイズにもなるという、一石二鳥のお昼休みでした。病み付きになりそう。

http://www.kiwa-group.co.jp/restaurant/l6_a100129.html

7.17.2008

『相棒 -劇場版- 絶体絶命! 42.195km 東京ビッグシティマラソン』

ドラマが話題になっていることは知っていたものの、見たことのなかった『相棒』。劇場版をたまたま飛行機の中で見ました。結論から言えば、めちゃめちゃ面白かったです。

次から次へと殺されていく著名人。現場に残された謎の記号。ネット上の掲示板やチェスの対局に隠された犯人からの犯行予告。次第に犯人の動機がおぼろげながら見えてきて…。犯人の掲げる“正義”が明らかになったときなど、消灯中の機内で思わず泣きそうになってしまいました。そして見終わった後は、機内のコントローラでチェスをやっていました。

余談ですが、飛行機の中で見た映画って意外と印象に残る気がします。どんな環境で見たかが容易に思い起こせるのに加え、旅の途上ということで気持ちが高ぶったり感傷的になったりしているからでしょうか。

http://www.aibou-movie.jp/

7.16.2008

『察知力』/中村俊輔

「がんばる」――これほど嫌いな日本語はありません。

最近ではオリンピック代表に選ばれた選手たちがこれを連呼していて、聞くたびに嫌気が差します。この言葉、抽象的すぎて、何をどれだけすれば「がんばった」ことになるのかが全く不明です。この言葉を口にするような人は、率直に言って大したことのない人でしょう。根性論・精神論でしか物事に対処できていないであろうから。自分の課題をきちんと言語化できていないであろうから。

さて、この本。中村俊輔は「がんばる」という言葉を一度も使っていません。代わりに、「監督の考えを察知する」「相手選手の意図を察知する」「相手選手よりも先に動き出す」「あえて厳しい環境を選ぶ」というように具体的・戦略的に言い換えています。本書に出てくる言葉遣いにも、ピッチ上でのプレー同様に俊輔ならではのこだわりが見られます。これが一流と、そうでない選手の違いなのでしょう。

希代のファンタジスタがいかに「努力」しているのか。サッカー好きだけでなく、一般の人が読んでも、努力するためのヒントが得られるはずです。

7.15.2008

アメリカ人高校生が教えてくれたこと。

先日出社したら、隣の席にインド系アメリカ人の男性が座っていました。

なんと17歳の高校生。夏休みの間3週間ほど、インターンとしてうちの会社に勉強しに来ているとのこと。聞くところによると、両親ともに著名な学者さんで、とてつもないインテリ一家だそうな。言われてみれば、ひねもすパソコンに向かって一心不乱にカタカタと何か打ち込んでいる姿からは、将来の学者の片鱗を感じさせます。

でも、彼の言動はアメリカの高校生そのもの。一緒にランチに行ったら早口の英語でまくしたてるわ、鞄を平気で通路のど真ん中に置くわ、勤務時間中にもかかわらず携帯をマナーモードにしておらず、大音量で携帯の着信音が鳴ってはこれまた大声のヒンディー語らしき言葉で私語をするわ(もちろん理解不能ですが)。周囲の社員たちが徐々に苛立ってきているのが、パーテーションの向こうからでも感じられます。当の本人は天真爛漫で何の罪悪感も感じていないのでしょうが。

アメリカ人って自由だな、と思うと同時に、日本人って神経質だな、とも思う今日この頃です。

7.14.2008

アップルとソフトバンクに物申す。

最近流れているiPhoneのCM、どうせならソフトバンクの犬がスティーブ・ジョブズに喝を入れているものが見たかった。

7.11.2008

イギリス映画の聖地、訪問。

ロンドン郊外にあるPinewood Studio。ここはとても歴史のある映画スタジオで、著名なイギリス映画が多く撮影されています。敷地内には巨大なスタジオが林立しているほか、きれいな芝生や緑もあり、そのまま撮影に使えそうな雰囲気。最近で言えば、007のCasino Royaleのヴェニスで建物が倒壊するシーンはここにセットを組み立てて撮影したそうです。

実は僕の友人のミュージシャンが、ここにスタジオを借りて映画音楽の仕事をしているのです。






この部屋はかのスタンリー・キューブリックがかつて試写室として使っていたほか、Pink FloydのThe Wallというアルバムのミキシングも行われたとのこと。もちろん内部はリニューアルされていますが、扉は当時のまま。重厚な雰囲気に重みを感じます。






Pinewood Studiosで撮影された映画はこちらで検索できます。
http://www.pinewoodgroup.com/gen/production_filmography_default.aspx?page=185&folder=2&?id=185

7.07.2008

英国貴族の結婚式に出席してきました!

Westminster(国会議事堂)というロンドンの象徴的な建物で、着飾った紳士淑女たちが出席する結婚式。映画の世界に紛れ込んだかのような、まさに夢のような1日でした。

結婚したのは、10数年来の仲良しである日本人女性とイギリス人男性。新郎の父がHouse of Lords(貴族院)に所属しているため、Westminsterという一般の人はなかなか入れないような場所での結婚式となったわけです。こんな希有な機会、逃すわけにはいきません。勇んで日本から飛んできました。

ドレスコードは「モーニングもしくはラウンジ・スーツ(まあ、普通のスーツのことです)」。せっかくの機会なので、もちろんモーニングで。一世一代の仮装大賞ですもん。前日にレンタルショップに借りに行きました。驚かされたのは、店員の仕事の早さ。その店員は、いわゆる絵に描いたような初老のイギリス人男性。目的を聞き、僕の背格好を見た瞬間、ちゃちゃっと衣装をセレクト。試着してみるとサイズも完璧。西欧人体型の衣装ばかりで、自分に合うサイズはないんじゃないかという不安は杞憂に終わりました。入店してから出るまで、ものの5分も経っていないでしょう。無駄な動きが一切ない完璧な仕事ぶりに、英国の伝統を感じました。

前夜、酒を飲みながら食事しているところへ新婦から電話が。なんと、突如アッシャーという案内係を頼まれることに! 当初担当することになっていた人が、遅れてしまうことが判明したとのこと。日本から来ている僕がイギリスやヨーロッパからの出席者を案内するというのも変な気がしますし、やり方も段取りも分かっていないだけに心配にはなりましたが、これはこれで貴重な経験。何より新婦の役に立てるだけに、喜んで引き受けました。

いよいよ当日。14時、観光客の波を押し分け、式の1時間前にWestminsterの通用口に到着。セキュリティチェックを受けてビッグベンの下の大聖堂へと足を踏み入れました。そこには、すでに新郎側の親族やベストマン(新郎の付添人。一番の親友に頼むことが多いようです)が。シルクハットをかぶった品格あふれる男性や、つばの長い帽子をかぶった婦人たちがいて、緊張は極限に。でも、皆さんとてもフレンドリーに挨拶してくれたりして、すぐにリラックスすることができました。

15時の式の時間が近づくと、徐々に出席者たちが来場してきました。アッシャーやってよかったのは、出席者たちと一通り挨拶ができたこと。もちろん軽い会釈程度ですが、様々な人種・国籍の人たちと笑顔で挨拶できるというのは気持ちのいいものです。中には10数年振りに顔を会わせる旧友もいたり。出席者たちを礼拝堂へと案内し、無事にアッシャーの仕事を完了。アッシャー用の席で、式の様子を最前列で目にするという栄誉にまで恵まれました。

非常にイギリス的だなと思ったのが、家族関係。新郎側の家庭環境がやや複雑と言いますか、父と産みの母が離婚しているのですが、当然のごとくそれぞれの連れ合いが出席しているのです。つまり継母だったり、異母弟妹だったり、その従兄弟だったり、さらにその従兄弟だったりと、家系図でも書いてもらわなければ理解できないような複雑な背景を持った人たちが楽しげに談笑したり、仲良く親族写真に収まったりしているのです。血縁に潔癖さを求める日本では、ちょっと考えられないかも?

荘厳な式が終わると、議事堂見学を経て、Westminster内のラウンジでのカクテルパーティー開始。テムズ川脇のテラスで、London EyeやCity Hallを望む絶好のロケーションでシャンペンを飲む。こんな贅沢に与っていいのでしょうか? 感涙です。最後の方では新郎の父によるスピーチが。ウィキペディアによれば、貴族院は「世界で最高の演説が聞ける場所と評する論者がいる」そうですが、本当に素晴らしいスピーチでした。「私と新婦の父には多くの共通点があることが今日判明しました。生まれた年、身長、そして素晴らしい息子・娘がいることです」。最初の一言で出席者たちの心をつかむと、ユーモアを交えたり、この日誕生日を迎えた子どもへハッピーバースデイの歌を贈ったりしながらのスピーチ。さすがです。

カクテルパーティーが終わると、ダブルデッカー(二階建てバス)を貸し切りロンドン観光をしながら披露宴会場へと向かいました。ちなみに、新郎新婦はピンクのロールスロイス。








披露宴は、これまた豪華な会員制のクラブで。日本みたいに、新婦が父への手紙を読むといったお涙ちょうだい系の演出は一切なし。代わりに、新婦の父のスピーチがあったのですが、これまた素晴らしいものでした。「私はティピカルな日本人です」というつかみの言葉で笑いを誘うと、メモも見ずに英語で堂々たるスピーチ。さすが、中東など海外に長く赴任していたビジネスマンです。その後スピーチしたベストマンが「私はメモを見ながらですみません」と断りを入れたほどでした。

イギリスの結婚式は余計な演出がなく、新郎新婦とゆっくりお話しできるのがいいです。近くのホテルのロビーで午前3時半まで飲み、長く夢のような1日は幕を閉じたのでした。

7.04.2008

ロンドン初日。

ロンドンについた瞬間、non-Englishの多さにビックリ。アジアやインド方面からの着陸が多い、Terminal3だからというのもありますが。

いい天気!と思ったら、あっという間に雲行きが怪しくなりシャワーが。これもイギリス的。

晩ご飯は、インド料理店でカレーを。からいけど、うまい。

そんなティピカルなロンドン初日でした。

7.03.2008

Flying to London!

今大会のユーロは本当に面白い大会でした。よく言われているように、比較的涼しいスイス、オーストリアで開催されたために、運動量の多い熱戦が繰り広げられたのでしょうか。連日、早朝3時半に起きて試合を見て1時間ほど眠ってから会社に行く、延長戦になったときはそのまま出社、なんて無茶な生活も終わりました。

そんなユーロの興奮冷めやらぬ中、ロンドンに行ってきます! 日本にいながらにしてヨーロッパタイムで生活していたようなものだから、時差ボケ対策もバッチリなはず。たった6日間のショートトリップですが、満喫してきます!

成田発のフライトが取れなかったがために、なぜか関西空港より。