11.29.2009

日本サッカーのレベルが上がらない理由。

この週末は久々にJリーグの試合を見に行ってきました。優勝争いのかかる川崎対新潟の試合。約3週間前にチケットを買った当時の情勢ではこの試合で川崎の優勝が決まるはずだったのが、先週の試合で最下位の大分に足元をすくわれ2位転落。この試合は是が非でも勝たなければならないという状況でした。実際、しびれるような試合展開で、終盤にようやく1点を取って川崎が勝利し、望みをつなぎました。

ところで、一つ残念な気づきがありました。自由席だったので場所を移動しながら観戦しており、せっかくの機会だからと熱心なサポーターのいるゴール裏にも行ってみました。そこで発見したのは、この連中がサッカーのことをあまり分かっていないこと。いいプレーや紳士的な行為があっても拍手が起きていないのです。そしてピンチでもチャンスでも変わらぬ一本調子の応援。要は応援することが目的化しており、騒いでいるだけなのです。サポーターの最前線で拡声器を使って音頭を取っている数名がピッチに背を向けて試合を見ていないのが何よりの証拠。これじゃあ、日本サッカーのレベルは上がらないな、と残念な気持ちでスタジアムを後にしたのでした。

11.22.2009

『のめり込む力』/川上真史

非常に素晴らしい本だと思いました。今、職場で人々が感じているであろう問題点を冷静に分析し、対処方法を提示しています。

本書の主張を簡単に言えば、以下のようになると思います。日本が成熟社会を迎え、社員の働く動機が変わってきている。また、仕事の難易度も以前に比べ格段に上がっているため、古いパラダイムの仕事論はもはや通用しない。なのに多くの日本企業は、これまで通りポストや収入といった「外的動機」に訴えることで社員の働く意欲を高めようとしている。今後は社員が自ら楽しむという「内的動機」を軸にした働き方がメインになる。そのためには企業側は感興を整備し、社員側も自ら楽しみを見つけることが必要になる、というものです。

個人的には、抽象的な事象を科学的に整理している点が良いと思いました。例えば、ソーシャルパワーを5つに分類し、正当パワーを発揮すべきという指摘。ストレスの問題をストレッサー(原因)とストレス反応(結果)に分けて考えるべきという指摘。

各章の終わりにポイントがまとめられており、要点を復習できるようになっている工夫も親切です。

11.21.2009

『下流志向〈学ばない子どもたち 働かない若者たち〉』/内田樹

約2年半ぶりに再読。アマゾンのレビューを見ると賛否両論あるようですが、この本は難しいことを考えずに教育問題について書かれた気軽なエッセーとして読むのが正解です。実際、著者の講演内容をまとめたものなので、口語体でとても読みやすいです。いまどきの子ども・若者について疎かった僕にとって驚愕の内容が多く、非常に興味深かったです。

学級崩壊や勉強しようとしない子どもたちのを等価交換という考え方によって説明している点は、大きな発見でした(ただし、等価交換は諏訪哲二さんの説を引用したもの)。何の役に立つかも分からない勉強をさせられるという苦役に耐える代わりに得られるものは何なのか。教育をビジネスライク捉えてしまうのは、物心ついたときから消費主体として生まれ育ったゆえである。現在、社会問題となっている様々な事象をこの等価交換説によって読み解いていくあたりは、実にスリリングでした。

11.16.2009

『男おひとりさま道』/上野千鶴子

これは全男性必読の書でしょう。

前著『おひとりさまの老後』のあとがきに対する回答の書とも言え、上野先生の言う「女に愛されるかわいげのある男」になるための方法も述べられています。

前著に比べてより現実的な内容になっており、読んでいて暗くなることもありました。が、これは老後のことなんて考えたことがないであろう世の男性に向けた、「現実から目をそむけるな」という著者からの愛のムチだと思われます。中高年はもちろんのこと、今を楽しんでいる若い男性にこそ読んでほしい!

11.13.2009

初のミシュラン三ツ星。

先日、会社の人にジョエル・ロブションにランチに連れて行ってもらう、という役得に与りました。

もはや話題にもならなくなりましたが、僕にとっては初のミシュラン三ツ星店。紫色のラウンジや調度品にいちいち感激しつつ、濃密なロングランチを楽しんできました。肝心のお味の方は、もちろんおいしかったのですが、あまりに非日常すぎてよく分からなかったというのが正直なところ。