12.06.2007

Number

文藝春秋社の『Number』って本当に面白い雑誌です。

例えば、欧州サッカーの若手注目株たちを扱った今週号の特集には以下のようなくだりが。抜粋します。

「21歳のマラドーナは初めてのワールドカップで退場処分を受けた。23歳になったばかりのベッカムも、ワールドカップで一発退場を食らっている。21世紀のニュータイプには、若さゆえの過ちは似合わない。」

シャアの名言を引用するとは、なんて粋な…! もちろん記事を書いた戸塚啓さんの功績なのですが、戸塚さんも『Number』という大舞台のためにこの表現を温存していたに違いありません。

そして、ユーロ予選で惜しくも敗退したスコットランドのサポーターを追った記事では、パブの壁にかけられていた言葉を紹介。

「スコットランド、我々のもっとも大きな誇り、それは決して倒れないことではない。倒れるたびに起ち上がる、それが誇りだ。」

なんだって仕事帰りの電車の中で、目頭を熱くしなければならないのでしょう。自分がスコットランドに留学していたのを抜きにしても、この言葉には人に語りかけるものがあります。これも、サポーターの書いた言葉でしょうが、それを引き合いに出す熊崎敬さんが素晴らしい。

並の書籍よりもよほど含蓄のある言葉に出会える。それが『Number』です。