12.13.2007

「本音と建前」は必要か?

この会社では、毎日が異文化コミュニケーションです。日本にいながら日本を客観視できる点はいいのですが、必ずしもいいことばかりではないわけで。

先日はややショッキングなことがありました。アメリカ人社長と韓国人と僕の3人でミーティングをしたときのこと。「本音と建前」の話題になったのです。

日本人と仕事をする外国人は誰しも「本音と建前」について知っています。そして、大概、忌み嫌っています。日本の悪しき慣習であると言わんばかりに。この日もその論調で、アメリカ人社長の饒舌は止まることがありませんでした。

うちの会社が過去に行なった心理テストの結果、日本人が世界で最も自分の意見を言わず、不満があっても表現しないことが判明したと。ご丁寧にパワポの資料まで見せられました。自分自身の体験としても、これまでも誰も私に批判的な意見を言ってきた人はいないと。ついては、日本人は世界で一番マネージメントがしにくい民族であると。

その場にいた唯一の日本人として、まるで自分が責められているような気になりました。といって、反論できるほどの論考も英語力もなく、落武者のように逃げ帰ってきた次第です。

「本音と建前」は、日本人が長い歴史の中で育んできたお互いが気持ちよく過ごすための習慣でしょう。それをグローバル化を理由に放棄せよというのは釈然としないものがあります。外国にも「本音と建前」に近いものはあるはずですし。とはいえ、この現代のビジネス環境においては非効率極まりない、と言われればその通りです。

現状僕なりに編み出した対処法は、外国人と仕事するときは使わず、日本人同士のときは使う、というものです。これが、日本にいながらアメリカ人のボスを持ったしがない会社員の生きる道なのです。

恐らくグローバルな環境で生きていく上では誰もが通らざるを得ない道だと思うのですが、海外で仕事している人たちなんかはどうしているのでしょうかね?

ちなみに、日本企業にいたときは、「本音と建前」を意識することはほとんどありませんでした。使い分けるのが「当たり前」だったからなんですね。