12.19.2007

『SAMURAI佐藤可士和のつくり方』/佐藤悦子

最近では佐藤可士和さんをメディアで目にしない日はないほど。書店に行って何冊か雑誌をめくれば大抵どこかに載っています。その露出ぶりは、自らがアートディレクターの仕事を一般に認知させる使命を背負っているかのように見えます。糸井重里さんがコピーライターという職業を有名にしたように。

事実、「アートディレクター=佐藤可士和」というブランディングを確立させようとしていることが、この本で明らかにされています。それも奥さんのプロデュースによって。

何より、この本はタイトルが優れています。「佐藤可士和」のブランドイメージを最大限に活かしています。普段はモノづくりしている男の「つくり方」って? あれだけお洒落なモノづくりをしているだけに、プライベートや素顔も洗練されているはずだから覗いてみたい。そんな欲望をかき立てられます。

装丁もシンプルでありながら、どこか高級感が漂います。そう、まさに佐藤可士和的。だから、1840円という高めの値段設定も可能になるわけです。企画力の勝利ですね。