12.09.2007

『プロフェッショナル・アイディア。』/小沢正光

仕事で大きな企画を考えています。こんなときに読み返すのが、この本。著者は博報堂のクリエイティブ・ディレクターですが、広告に限らず様々なアイデアを生み出そうとするときの技術を伝授してくれています。

その技術をかいつまんで言えば、「書き出す」「整理する」「チョイスする」という3つの工程を3ラウンド繰り返すこと。

これだけ聞くと簡単そうに思えるかもしれません。事実、方法そのものは至極シンプルです。ただし、この方法を実際にやろうとするとかなり大変。前職時代にいつもやっていましたが、一通りアイデアを吐き出した後も考え続けるのは、乾いた雑巾を絞るような作業です。けれども、企画というのは考え続けるプロセスが大事なのだということを実感します。

ところで本そのものに関して言えば、正直、内容は薄いです。上述の技術を、著者自身の体験談などを交えながら紙幅を埋めていって一冊の本にした印象。これで1600円は高いとも言えると思います。同じインプレスが出版している「ひとつ上」シリーズ(こちらは素晴らしく内容が充実)と同じ体裁にして二匹目のドジョウを狙っているのでしょうか? それとも、多少高くても投資をして学ぼうというプロセスが大事だというメッセージが込められているのでしょうか?