5.15.2008

『ウェブ時代をゆく』/梅田望夫

最初に断りを。代表作『ウェブ進化論』や茂木健一郎との共著『フーチャリスト宣言』ほどのインパクトは感じられませんでした。

それもそのはず、梅田さん自身あとがきで語っているように『ウェブ進化論』と対になる本書は、前著を受けて、この激動の時代をどう生きるかを指南した書。つまり、入門編に対する応用編というような位置づけなのです。目からウロコの新情報が満載というわけにはいきません。

それだけに、入門編をきちんと理解しておかないと真意を読み取ることはできません。また、心の準備も大切です。事実、僕は昨年秋に出版されてすぐに購入したものの、当時の心境には響かず、最近になって受け入れる態勢が整ったと感じて再読したワケです。

本書で梅田さんは、「好き」を突き詰めることの大切さを徹底して論じています。例えば以下の文章。

突き詰めて言えば、それは戦略性と勤勉ということに行き着く。自分の志向性に正直になり「好き」を見つけるための努力をこつこつと続け、「好き」なことの組み合わせを見つけたら、面倒なことでも延々と続ける勤勉さと、それを面倒くさがらない持続力がカギを握る。

20代とかの、もっと若いころにこの文章と出会っていたかった…! 自分と向き合い、自分にチャレンジすることの重要性を、怠けてばかりいた20代の頃の自分に伝えてやりたいものです。

でも、今からでも遅くはないでしょう。図らずも、web2.0を先取りしたような組織に勤めることになったというのも何かの縁。けものみちを歩くためのインフラとマインドセットはすでに準備されているのですから。