5.11.2008

『ザ・シークレット・サービス』

ケネディ暗殺を防げなかったというトラウマを抱える老齢のシークレット・サービスが、30年後、暗殺者からの挑戦を受けながらも再選を目指して遊説中の現職大統領を守るというストーリー。息もつかせぬサスペンス映画です。

酸いも甘いも知り尽くしたシークレット・サービスをクリント・イーストウッドが、知的で不気味な存在感を放つ暗殺者をジョン・マルコビッチが好演していて、実に見応えがありました。

この映画が製作された93年と言えばケネディ暗殺から30年。無能な大統領補佐官役を演じていたフレッド・トンプソンはその後、現実の大統領選に立候補。シークレット・サービスも暗殺者も共に国のために戦いながら裏切られた、というアメリカの闇を代弁。色々な意味で因縁めいた映画です。

それにしてもアメリカの大統領って、いつも命を狙われたりして大変な役回り。それでも目指す人が多くいるというのは、それだけの名誉なのでしょう。野心のない今どきの日本の若者が仮に立候補する権利があったとして誰も目指さないだろうな、なんて映画とは関係のない感想を抱いたりして。