1.23.2008

オーストラリア紀行7/オーストラリアのサッカー。

オーストラリアでは、サッカーは決してメジャースポーツではないようです。その証拠に、テレビやパブにおける放送も、ちょうど開催中の全豪オープンテニスやクリケットに押されていました。もちろん、冬場(といっても、ほぼ常夏なのですが)はラグビーやオージーボールが大人気なのでしょう。

それでも3年前にA-Leagueというプロサッカーリーグが発足し、徐々に人気は上がってきているようです。8チームが3回ずつ21試合を戦って順位を決め、上位4チームが優勝決定戦に進出。そこからはトーナメント形式で総合優勝が争われます。ちなみに日本でも知られているSydney FCには、3年程前にカズが在籍していたことがあり、現在は元ブラジル代表のジュニーニョ・パウリスタがプレーしています。

試合やハイライトをいくつか見ましたが、ゴールシーンを見る限り、それほどレベルは高くありません。ディフェンスラインの連係ミスによる得点が多数を占め、迫力のあるゴールシーンはあまり見られませんでした。Jリーグの中堅から下位チーム同士の対戦といったレベルでしょうか。

また、サッカー雑誌Four Four Twoを買って読んでみましたが、その記事のクオリティやサポーター同士の対談を見る限り、サッカージャーナリストの目もファンの目もそれほど肥えているわけではなさそうです。

ただ、この雑誌に掲載されていたティム・ケーヒルのインタビューを読んで、一気に彼のファンになってしまいました。ケーヒルって覚えてますか? そう、2006年W杯の日本対オーストラリア戦で、試合終盤に2ゴールをあげ、日本中を悲鳴の渦に陥れたあの男です(試合は3-1でオーストラリアの勝利)。

プレミアリーグのエバートンでその活躍は目にしていましたが、人間的にもものすごい人格者だということが分かりました。オーストラリアで頭角を現した彼が、海外移籍の第一歩を踏み出したのは、イングランドのミルウォールというクラブ。いきなりビッグクラブではなく、中堅クラブで実績をあげていこうという考えは地に足がついています。また、非常に家族とファンを大切にすることでも知られているそうです。性格も温厚で、好青年とのこと。確かにプレー中に激高している姿など見たことありません。最近では、子ども向けのサッカー絵本を出版し、夢を持つことの大切さを訴えるなど、活動の幅を広げています。

オーストラリア代表はアジア入りしたため、今後も日本の宿命のライバルとなっていくかもしれません。日本を応援しつつも、ケーヒルとサッカールー(サッカーのオーストラリア代表チーム)には注目していきたいです。