1.25.2008

オーストラリア紀行10/大らかでフレンドリーなオージーたち。

街の魅力は人の魅力である――これは世界中を旅してきた中で実感することです。

どんなに街が美しくても、人の顔が曇っていたり、人を信用できなかったらその街の魅力は半減します。例えば、モスクワはそんな理由から好きになれなかった街の一つでした(ただし、僕が行ったのは1993年。冷戦後間もない混乱期だったので、今は違うかもしれません)。

その意味で、オーストラリアの魅力はまさにオージーたちの魅力。とにかく人が大らかでフレンドリーなのです。

「お前この間も来ただろう?」「いや、昨日オーストラリアに着いたばかりだけど」「じゃあ、お前の兄ちゃんだな。ハッハッハ」と一人でぼけて笑い飛ばしたカフェの店主。

お昼時のfish marketのレストランで相席になったことから打ち解けたオージーの老夫婦。旦那さんは以前この市場で働いていたとのことで、ロブスターの上手な食べ方を伝授してくれました。

街中で写真を撮っていたら「Smile, sir!」と声をかけてくれた兄ちゃん。

住宅街を散歩中、かわいい飼い犬と一緒のショット撮影を申し出てくれたおばあちゃん。

さわやかな笑顔で、なぜか旅行者の僕らに道を尋ねてきた女性。

僕らの嗜好を聞き出した上で、丁寧にオススメのイベントを紹介してくれたシドニーフェスティバルの案内係の人たち。

こうした現地の人たちとの交流が旅を彩ってくれました。

アングロサクソンもいれば、黒人、アジア系、ポリネシア系など人種は様々。英語のなまりも人それぞれ。とにかく多様性に満ち溢れているのです。黄色人種の旅行者の僕らも奇異な目で見られたり、差別的な扱いを受けるなんてことも一度もありませんでした。オージーたちは皆、笑顔でフレンドリーなので、こちらもすぐに心を開いてしまうのです。

特にシドニーは、僕にとってコスモポリタン都市の理想郷。磁場が自分に合っているということを即座に実感しました。

また戻ってきてみたい。それも今度は移住者として。そんな夢を抱かせるような旅でした。