3.31.2008

春の風物詩。

昨日は春物のイベント満載の、なかなか充実した1日となりました。

まず、朝9時からサッカーをやるという健康的なスタート。内容も結果もお天等さんのごとく寒いものでしたが、いい汗かけたのでよしとしましょう。

そのまま代々木公園にお花見へ流れました。サッカー仲間たち、その彼女、応援に来てくれた女子たちという烏合の衆による宴会。寒さに耐えながらビールを掻き込むことに大いなる矛盾を感じながらも、「やはり花見はこうでなくっちゃ」と無理やり自分を納得させたりして。幸い、雨に打たれる前に退散。

その後は、前の部屋の退去立ち合いへ。立ち合いはいつものことながら緊張の連続です。代官様の重箱の隅を突くようなツッコミに、針のむしろになった経験も。だから、酔払いの住居人が現れてはいきなり心象が悪くなると思い、スタバのコーヒーをテイクアウトし赤ら顔とアルコール臭を必死にかき消しました。それが功を奏したのか、1箇所だけフローリングにキズがついていた以外は壁紙の張替えも必要ないほどきれいに使ってくれていた、とのお言葉。ほっと胸をなで下ろし、帰途へ。

夜は新居駅前の焼き鳥店で、焼おにぎりのごとく巨大なつくねとモツ鍋を頬張りました。たらふく食べて飲んで1人2000円を切るという激安さに感激しつつ、心地よい眠りについたのでありました。

3.28.2008

Moved!

平日に休みをとって引越しを完了しました。

白い壁に白いフローリング…。とにかく真っ白な部屋です。「2001年宇宙の旅」にでも出てきそう。それとも無菌室か。ずっと愛用していたアンティーク調のソファがとても小汚く映ってしまい、まるで似合いません。シーツでもかぶせようかと検討中。

しばらくはダンボールたちとの共同生活が続きそうです。

3.23.2008

にしおかすみこ

ここ最近珍しく仕事が忙しく、また引越しやら人付き合いやらにも忙殺され、すっかり更新を怠っておりました。

日々色々な情報をインプットをしているわけですが、その中でも最大のサプライズは、にしおかすみこが僕が大変お世話になった人の娘だったという事実でしょう。

その方は出版社時代の取締役で、僕を採用してくれた張本人なのです。入社後も、仕事で直接関わることはあまりなかったものの、部下をモチベートするのがうまく、包容力のある人柄に尊敬の念を抱いていました。

にしおかすみこに対しては、あの強烈なキャラとは対照的に、実は聡明で礼儀正しい人なのではないかと思っていましたが、その予想もあながち外れてはなさそうです。あの父あってのあの娘なのですね。

3.17.2008

ドイツからの贈り物。

ドイツにいる親戚がロウソクを送ってくれました。

開けてみてビックリ。輸送過程で溶けて湾曲している!と思ったら、こういうデザインなんですね。日本ではあまり見かけないような、遊び心にあふれていました。

3.14.2008

BOTANICA

テレンス・コンラン卿プロデュースのレストラン「BOTANICA」をモチーフにしたコンピレーション。スローテンポでオーガニックな雰囲気が心地よく、ゆったりと癒されます。

3.13.2008

『勝間和代のインディペンデントな生き方 実践ガイド』/勝間和代

今や雑誌にテレビに引っ張りだこの超売れっ子経済評論家となった勝間さん。1か月ほど前には、ついに「王様のブランチ」にまで出演し、相当名前が浸透したことでしょう。この本は、そんな彼女の2年前のデビュー作を装いも新たに出版しなおしたものです。

本人も「顔から火が出るほど恥ずかしい」とブログに書いている通り、ネームバリューが全くなかった頃はこれくらい読者に媚びなきゃ出版できなかったのだろう、と思わせるくらいの軽いタッチ。今の硬派な経済本を書いている姿からは想像もつきませんでした。

だから、あっという間に読み終わります。本当にあっという間です。このスカスカの内容で1000円は高いだろうと思いますが、それでもさすが勝間さん、随所に金言がちりばめられており、それなりの学びは得ることができました。

例えば、「いい男」の定義。それは「つきあっている相手のことを友人にのろけられるか」。笑顔でパートナーのことを友達に自慢できればよく、付き合っている言い訳を探してしまったり、褒めるところを一生懸命見つけなければならないというのはダメ。確かにこれは絶対的な基準があるわけではなく、人それぞれにとっての「いい男」なので合点がいきます。

3.12.2008

Strongest League in Europe?

チャンピオンズリーグのベスト8が出そろいましたが、なんと4チームがイングランド勢! プレミアリーグ好きの僕からすればうれしいことのはずなのですが…、素直に喜べない事情もあります。

1つは、必ずしもプレミアリーグのレベルの高さを表しているものではないこと。4チームは相も変わらずマンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、チェルシー、リヴァプール。プレミアは上位と下位の力の差が非常に開いてしまっており、ここ数年プレミアは上位4チームのためのものでしかないのです。そして、この4チームもミラン、レアル・マドリー、バルセロナといった超強豪に比べたら少し力が落ちるのではないかということ(今年はバルサしか残っていませんが)。現に昨年はベスト4のうち3チームをイングランド勢が占めましたが、最終的にはミランに優勝杯を持っていかれました。

もう1つは、イングランド人選手が少なく、イングランド代表の底上げにはなっていないこと。マンUやリヴァプールはまだ中心選手がイングランド人だからいいものの、アーセナルなんてスタメンにイングランド人は一人もいません。これじゃあ、サッカー界でもウィンブルドン現象じゃないですか。それともイングランドの人たちは、僕たちが想像するよりもはるかにグローバルで心が広く、高い境地に達しているのでしょうか?

3.10.2008

『春、バーニーズで』/吉田修一

以前からタイトルにひかれ読みたいと思っていたこの短編小説。最近文庫化されたのと、季節が少しずつ春の息吹を帯びてきたのを機に、手に取ってみました。

主人公は恐らく僕と同年代の男性。息子の入園式に備え服を新調するために、妻に連れられ新宿のBARNEYS NEWYORKに向かいます。そこで遭遇したのは、かつての「恋人」…。

読後は、期待していたような内容とのあまりのギャップに拍子抜けしました。でも、その後じわじわと主人公の気持ちに共感できるようになっていきました。誰もが持っているであろう、自分を「大人」にしてくれた出会い。短編だからこそ解釈は読み手に委ねられ、短編小説の醍醐味を存分に味わうことができました。

短編小説は少ない情報量で読者を物語の世界へと誘わなければならず、長編小説よりはるかに難しいと言われます。それだけに、タイトルも重要な要素。この作品は、「春」「バーニーズ」という一部の人なら確実に胸がときめくであろう記号を巧みに盛り込んだことで、勝負ありです。広告のキャッチコピーのように一瞬で読者を射抜く、優れたタイトルだと思います。

3.08.2008

引っ越すことになりました。

引越し先が決まりました。ひと駅分だけ東京から離れることになりましたが、今より家賃が安くなり、それでいて広くなり、多摩川に近い立地もよさそうで、駅からも比較的近い新築、という理想的な物件が見つかりました。

この部屋を見つけられたのは、ちょっとした執念によるものでした。実は、内見に行ったある物件を気に入り、一度はそこに決めようとしたのです。ところがヨメの「もっといい部屋があるはずだ!」という野性的とも言える勘を信じ、もう一度調べてみることにしたら、その日の新着として今回の物件がアップされていたのです。

経験上、立地や間取り、家賃などの条件から、その物件がすぐに埋まってしまうであろうことは容易に想像がつきました。それまでも何度も逃していましたから。その時、火曜日の夜遅く。もう不動産屋さんも閉まっていました。そこですぐに不動産屋のHPを検索し、営業は朝9時半からで、水曜日が定休だということをチェック。木曜日の朝9時29分に電話を入れ、その日の夕方に内見する約束を取り付けました。幸い僕もヨメもフレックスタイムなので、仕事を抜け出したり早退することも可能なのです。そして夕方、まだ建築中の中を内見してみたら、予想通り分譲仕様のいいマンション。その場で申込書を記入したのでした。

この素早いアクションのおかげで、そのマンション内でも特に好条件の部屋を借りられることになったのでした。部屋探しには情報量と努力と、ちょっとした運が必要なのですね。

3.07.2008

『やる気!攻略本』/金井壽宏

人材業界のスーパースターとも言える、神戸大の金井壽宏先生の新刊です。

率直な感想を言えば、先生には申し訳ないのですが、あまり面白くありませんでした。これを読んだだけですぐに「やる気」をコントロールできるようになるわけではなく、「やる気!シート」を記入するというエクササイズを繰り返すことで、自分の方針を把握していくというプロセスを経なければなりません。言ってみれば参考書に過ぎないわけです。

また、文章が変なノリになっているのも、個人的には好きになれませんでした。学者の著作からは考えられないようなポップな装丁と軽いタッチの文章にして、広く一般の読者を取り込みたいということなのでしょうが、残念ながらスベってしまっていると思います…。ただ、これは編集者の責任でしょう。

それでも、やる気のメカニズムについては何となく分かりました。

1 大きな目的を抱いたことで現状と目的のズレを感じる(ズレ)
2 現状と希望のズレを感知して、緊張が発生してしまう(緊張)
3 緊張が発生したことに対して「不快である」と感じる(不快)
4 不快が発生したことに対して「低減したい」と感じる(低減)
5 不快の低減のために働いているうちに実現可能な目的(や希望)を見いだす(発見)
6 見いだした目的に対して、それを達成したいと感じる(目的)
7 見いだして達成したいと感じた目的が、かなえられる(達成)
8 目的がかなえられ、満足したり、リラックスしたりする(成就)
9 満足やリラックスしたら、活動が止まり、ゆるむことがある(停止)
10 活動が止まったら、より大きな目的を抱くようになる(成長)
再び1へ

自分がこのサイクルのどこにいるか意識するだけで、多少気持ちが整理されるような気がします。

ちなみに、先生の著作で言えば『働く人のためのキャリアデザイン』は、内容の濃密さもさることながら、ジャズやブルースからの引用があったりと、単なる学術書にはない知的興奮に満ちており、すばらしい本だと思います。

3.06.2008

言葉の限界。

今日はある外資系クライアントとのミーティングで、「言葉」の難しさについて考えさせられました。

俎上に載ったのは「研修」という言葉。海外本社の使うtrainingという言葉をそのまま「研修」と訳してしまうとニュアンスが違う、ということに一同愕然としたのでした。

「研修」という言葉は日本的環境の中で育ってきた人からすれば、座学のように講師が全体の前で講義するという受動的なイメージのようです。それに対しtrainingという英語は、語源が「列車」のtrainだけあって「引きずっていく、従わせる」から派生したようなのですが、実際はもっと能動的なニュアンスで使われていることが多いのではないか、という議論になりました。

人は言葉に左右される生き物です。でも、その言葉には限界があります。一番てっとり早く便利だから使っているだけで、本当の思いは言葉ではなかなか言い表せないものです。それでも、やはり言葉を選ばざるを得ないというジレンマ。

クライアントとしては、今僕たちが行っている仕事を旧来の研修ではなく、もっと広い意味での「学び」というニュアンスで全社員に提供していきたいとのこと。その心意気を伝えるためにも、僕のようなコミュニケーションに携わる仕事をしている人間はもっと言葉にこだわっていかなければならないと猛省したのでした。

3.05.2008

人材は社会の資産である。

今週号の『日経ビジネス』でソフトブレーンの宋文洲氏がいいことを言っています。

日本企業は新卒の学生を集めて、自社の意に沿うように社員教育をする。結果的に自社だけで通用する人材しか育たない。(中略)日本企業には特定の業界、企業のことしか知らない人があまりにも多い。これでは人材の宝庫どころか、人材の「倉庫」になってしまう。

「忠誠心」という言葉があるが、この言葉の使い方も曖昧だ。社員が企業や組織に対して忠誠心を持つ必要があるのだろうか。むしろ、自分の価値を大切にすることの方が重要だ。このことが、結局、社会に対して忠誠を誓うことにつながるのだと思う。


企業は社会の公器だとすれば、人材も社会の資産だという発想です。一昔前の「会社社会主義幻想」にいまだに囚われている前職の会長に聞かせてあげたい言葉です。。。

3.04.2008

彼は英語が話せないのではありません。スキルが足りないのです。

ベルリッツのCMが面白いです。日本人の英語学習における問題点を見事に風刺しています。

とあるグローバル企業の会議室では議論が白熱しています。会話のキャッチボールをサッカーのパスに見立て、やりとりの速さをパスのスピード、出席者の卓見を華麗な足技で表現するアイデアが秀逸です。出席者の一人である鈴木さんという名の日本人は、話にまるでついていけていない様子。案の定、いざ話を振られると…ミスキック。そこへナレーションが。「彼は英語が話せないのではありません。スキルが足りないのです」。

このコピーは、多くの日本人が陥りがちな英語習得の問題点を突いています。このCMは、Berlitz Business Communications Schoolという上級者向けクラスを告知するためのものですが、根本の原因は初級者も上級者も同じでしょう。それは手段と目的をはき違えてしまうこと。英語はあくまでもツールなのに、いつの間にか英語を勉強することが目的化してしまうのです。

本質を突いたこんなCMを作るとは、さすがベルリッツです。

以前一緒に仕事をしていた英会話講師のスティーブ・ソレイシィさんもよく言っていました。「英語の勉強は自転車と同じ。まずは下手なりに乗ってみることが大切なのに、日本人は自転車のパーツとか細かいところばかり気にする」って。

http://www.berlitz.co.jp/sd/media/08cm/#

3.01.2008

『ラスト、コーション』

映画の良し悪しは脚本で決まる――それを改めて確信させてくれた映画でした。

ヴェネツィア映画祭でグランプリを受賞するなど、前評判の高かったこの映画。それだけに、否が応にも期待値は高まっていたのですが…、残念ながら期待外れに終わってしまいました。その最大の理由は脚本です。

1940年代、日本支配下の中国で、日本の傀儡政権として恐れられていた高官暗殺をめぐる物語。演劇部の学生だった女優が、身分を偽って高官に近づきます。女性の魅力を使って高官を誘惑し、暗殺のチャンスをうかがうのですが…。

脚本における最大の欠陥は、彼女がそこまでリスクを負って高官暗殺に執着する理由が最後まで示されなかったことです。例えば肉親を殺されたとか、強烈な怨恨があるなら分かるのですが、演劇部の学生たちがある種のノリやファッションで政治活動に走っているようにしか見えませんでした。これがないまま、2時間半の長尺は過ぎていってしまい、納得感の薄い後味を残すこととなったのです。

当時の香港や上海を忠実に再現したであろう映像美や、任務にひた走りながら心を奪われてしまうトニー・レオンの憂いを帯びた演技、コーヒーカップについた口紅の跡などからじわりと妖艶さを醸し出すディテールにこだわった演出など、その他の要素が完璧だっただけに残念でなりません。

http://www.wisepolicy.com/lust_caution/