5.30.2009

『グローバルリーダーの条件』/大前研一、船川淳志

グローバル人材の育成に関して名高いお二人の対談だけに、内容はそれなりに面白いですし、役立つところも多々ありました。それでも、読後の満足度は決して高くはありませんでした。その理由は主に以下の2点です。

・船川さんが憧れの大前さんと対談したことで舞い上がっている感があり、いつもの船川節が少ない。

・両者とも言っていることはもっともなのだが、過去の著作やどこかで語られていることばかり。

ついでながら、英語はニュアンスを使い分けなければならない、と言っているにも関わらず例文の英語が間違っています(p125)。序章で、アメリカではしかるべき出版社なら1、2年もかけて厳しくチェックした上で出版すると述べており、あまりにも安易に売れそうな本を出す、と日本の出版界を批判しているのに、本書もその類になっているわけです。