6.04.2009

『新入社員はなぜ「期待はずれ」なのか』/樋口弘和

著者の樋口さんの講演を以前聞いたことがありますが、その時は、あまり根拠も示さずに思い切ったことを言う人だ、という印象を持ちました。

本書も同様です。自分の思い込みや意見をあたかも一般論であるかのように述べています。

タイトルからは今どきの若者を糾弾するような内容を想像しますが、企業側の採用・育成の仕方が悪いと訴えています。第5章の「優秀な人材を見抜く“雑談面接”」は、その状況を打開するための手法としてコンピテンシー面接を紹介しているのですが、実例が載っており非常に有益です。

ただ、現状の日本企業の採用や若手社員の育成方法を一刀両断しているのは気持ちいいのですが、あまりに根拠もなく断定的な物言いをしているので、人によっては反感を抱くかもしれません。また随所に自社の宣伝を挟みこんでいるのですが(他社はできていないけど、うちはできている的な)、それもややしつこいと思いました。

光文社新書は確かに面白い本もたくさんありますが、きちんとした裏付けのないままに出版しているという印象をどうしても持ってしまいます。