9.08.2008

『サブプライム後の新資産運用―10年後に幸せになる新金融リテラシーの実践』/中原圭介

これは初心者向け資産運用本の決定打ですね。ハッキリ言って、勝間和代さんの本よりも分かりやすい。

国際分散投資と長期保有――資産運用の定石のように言われているこの法則を否定するところから始めます。なぜなら、この法則が通用した時代とはパラダイムが違うから。

個人的に気に入ったのは、大きな視点でリスクを捉えているところ。リスクと言うと個人単位でのリスクばかり考えがちですが、実は日本の財政が破綻したり、東海大地震によって日本経済が壊滅したりといった、国家レベルでのリスクも考えておくべきだと。

この著者のいいところは、文学部出身だということ。だから堅苦しい経済理論に惑わされることなく、歴史と心理学をもとに世界経済の大きな流れを見てシンプルに解説していく。だからサブプライムローン問題も予見できたそうです。

ベストセラーになっていますが、もっと売れて、評価されてしかるべきだと思います。表紙をはじめとする装丁で損していますね。あと、なぜかフォレスト出版から出ているというだけで胡散臭さを感じてしまう。。。