1.30.2010

ジョン・ルーリーに圧倒された!

ワタリウム美術館で今日から始まったジョン・ルーリーのドローイング展に行ってきました。

ジョン・ルーリーと言えば、ジャズ・ミュージシャンとして、はたまたジム・ジャームッシュの『ストレンジャー・ザン・パラダイス』に出演し個性派俳優として活躍するなど、ニューヨークという街がとても似合う個性的でスタイリッシュな存在でした。音楽でも映画でも、どこか人を食ったようなところがあるのが彼の特徴。観客は肩透かしを食らってしまうのです。90年代半ば以降しばらく名前を聞かないな、なんて思っていたらライム病という難病を患っていたと数年前に雑誌で読みました。音楽ができなくなっているため、絵を描くことで自分を表現しているとも。

そして表現手段が何であれ、ジョン・ルーリーはジョン・ルーリーでした。大胆な構図に派手な色遣い。一見、子どもの落書きにも思える“ヘタウマ”系の絵。でも、よく見るとディテールにすごい凝っている。そして何と言ってもタイトルの付け方が抜群にユーモラス。アートを見に行って笑いが止まらない、なんてことは滅多にないでしょう。一例を挙げれば、「アメリカ人女性は武器を持つ権利がある(American Women Have The Right To Bear Arms)」という絵は、女性らしき人物の腕が熊(Bear Arms)になって威嚇しているというダジャレ。「私のアパートには毛皮を検査している原始人が住んでいる。出て行ってくれるといいのだが。」は真っ赤な部屋で原始人らしき人物が机に座って毛皮を精査しており、その上を草木がアクションペインティングのように覆いかぶさっている絵。なかなか言葉で表現するのは難しいので実際に見に行って欲しい。ツボにはまる人ははまるでしょう。

http://www.watarium.co.jp/exhibition/1001john/index.html