3.25.2011

『チャイナ・シンドローム』

広瀬隆・著『原子炉時限爆弾』に紹介されていたので、見てみました。1979年当時は公開直後にスリーマイル島事故が発生し、大ヒットしたそうです。

30年以上前の映画ですが、問題の本質は全く変わっていません。住民を無視し、資本の論理で原発運転を続け、事故が起きても隠そうとする電力会社、大事なスポンサーを失うことを恐れ表立った批判にまで踏み込めないマスコミ…。福島第一原発でも同じような丁々発止があったのだろうと想像し、否が応でも今回の事故と重ね合わせてしまいます。むしろ反原発の気運は当時の方がはるかに強いことが伝わってき、広瀬隆が嘆いていた我々の危機感のなさを感じ入りました。

映画作品としては、やはり古臭さは感じてしまいます。サスペンスですが、ストーリー展開はある程度先が読めてしまいます。また事故発生中、作業員たちが汗ひとつかかずに対応している様子があまり緊迫感がなかったように思いましたが、当時はこの程度の演出で良かったのでしょう。また、若き日のマイケル・ダグラスが製作者として名を連ね出演もしていますが、今の方がカッコいいです。