4.22.2011

楽しみだけど、素直には喜べない南米選手権参加。

楽しみだけど、素直には喜べない。そんな複雑な気持ちです。

すったもんだの末、日本代表が南米選手権に出場することがほぼ決定したようです。ただ、この期に及んで欧州組が15人集まらなければ辞退するとか抜かしているし、その欧州組の招集も南米任せ。万が一集められなければ、本大会まで2ヶ月余りというような段階で辞退するのでしょうか? それこそ無責任極まりない…。

もちろん、南米の競合とアウェーでの真剣勝負が見られるというのは楽しみでなりません。でも一度は辞退したのに、再考を促され軽々と翻意してしまった、そのプロセスはいただけない。日本サッカー協会が発表した辞退理由、Jリーグなくして代表なし、というのは非常に理にかなっています。選手たちはJリーグを中心とする所属クラブから給与をもらい、そこでの活躍をもとに代表に選ばれるわけですから、この順番を間違えてはいけない。だから、最初に辞退を申し出たとき、残念な気持ちがありながらも大いに理解を示したものです。なのにあっさりと翻意してしまうとは。

どうやら日本サッカー協会の人たちは、南米人の行動原理をあまり理解していないように思えます。僕も最近、南米人とよく付き合うので彼らの思考回路の一端が少しずつ見えてきました。僕の分析では、彼らは自分のメリットになることであれば、とりあえず“ダメもとでも言ってみる”人たちです。プレーを見ていても分かります。明らかなファウルを犯しても、レフリーに必死で嘆願してみる。それで万が一、自分たちに有利なように事が運んだらもうけもの。そんな例は枚挙にいとまがありません。僕は別にこれが悪いとは思いません。彼らが営々と築いてきた知恵/流儀なのでしょうから。

日本からのテレビ放映権料が入らなくなることを恐れたアルゼンチンサッカー協会は、日本のための大会にする、などとダメもとで言ってみた(そもそも「日本のための大会」というのは具体的に何をどうすることなのでしょう?)。ところが、日本がまんまと食いついてきた。だから、南米連盟が責任をもって欧州選手を招集する、などと口からでまかせを言わざるを得なくなった。というのが僕の勝手な想像ですが、あながち外れていないのではと思っています。南米連盟に丸投げした日本サッカー協会の外交力のなさに将来性のなさを感じ取ってしまうのです。