10.10.2009

『ザ・バンク 堕ちた巨像』

この春公開され気になっていた映画がDVDになったので早速レンタルして見ました。

欧州の巨大投資銀行の裏取引をニューヨーク市警やインタポールが共同で捜査するが、核心に迫りそうなところでいつも重大な関係者が殺されてしまう。最後はもはや主人公の執念で頭取にたどり着くが、頭取もトカゲの尻尾だったというようなオチ。

公開時は「金融危機を予言した映画」のような宣伝の仕方でしたが、直接的には関係のないサスペンス映画です。ただ、映画中に出てくる「みんなグルなんだ」「俺を殺しても次がいる」のようなセリフからは、メガバンクや大企業、そして政府までもが関与している“陰謀論”を想起させます。世界の暗部を告発しようという製作者たちの心意気が感じられました。もし日本の配給会社がそこまで考慮した上であのようなプロモーションをしたのだとしたら大したものです。でも、それならば『ザ・バンク 堕ちた巨像』なんていう本質とズレた意味不明なタイトルはつけないか…。

個人的には、ベルリン、ニューヨーク、ミラノ、イスタンブールなど大都市を舞台にした映像が見ごたえありました。どうも雰囲気や音楽のセンスが似ていると思ったら、この監督『ラン・ローラ・ラン』の人だったんですね。