5.04.2010

『フロスト×ニクソン』

1974年に行なわれ、アメリカのテレビ史上最高の視聴者数を記録したという対談を映画化したもの。

ウォーターゲート事件で辞任したニクソンに、イギリスのテレビ司会者フロストが対談を申し込む。ニクソンとしては高額な報酬に加え、プラス面をアピールして政界復帰への足掛かりを得たいという目論見が。一方のフロストには、アメリカのショービズ界進出という下心が。対談は4回にわたって収録されることに。

ドキュメンタリー・タッチの映像と音楽が知的興奮を掻き立てます。特に対談の場面は、手に汗握る緊張の連続でした。

ただ、やはり解せなかったのが、それまで全く隙がなく格の違いを見せつけていたニクソンが最終収録前夜あたりになって急に動揺してしまうこと。映画の中にもボクシングの比喩がたくさん出てきましたが、ノーガードの打ち合いというよりは、終始リードしていたニクソンが最終ラウンドで勝手に自滅したみたいに感じられてしまいました。

また、フロストも能天気でいい加減な男なのか、真の切れ者なのかが最後まで不明でした。1回目の対談の前日にガールフレンドとパーティーに行くなど余裕をかましていたかと思ったら、スポンサーがなかなか集まらず苦悩したり、最終対談の前になって突如やる気を見せたり。フロストについて調べようにも、日本版wikipediaに載っていない!