11.29.2008

『スルース』

ケネス・ブラナー監督と言えば、シェークスピア作品とか歴史もので高尚なイメージがあったけど、こんなスタイリッシュな娯楽作も撮っていたのですね。

初老の推理小説家(マイケル・ケイン)とその妻の愛人の若い俳優(ジュード・ロウ)の2人が、女性をめぐって“ゲーム”を繰り広げる。登場人物はこの2人だけで、渦中の女性はまったく出てこないという、異色のサスペンス映画です。でも、2人の存在感が抜群で、物足りなさは全く感じません。

もはや女性のことはどうでもよくなり、ゲームは男と男のプライドをかけた戦いへとエスカレートしていく。本来の目的を忘れ、目の前の戦いを制することだけに執着していく男たち。ブラナーは、そんな男の悲しい性を描きたかったのでしょうか?