9.02.2010

『ワールドカップは誰のものか―FIFAの戦略と政略』/後藤健生

サッカーの見方が変わる本かもしれません。マラドーナがたしか90年W杯で準優勝に終わった後(別の場面だったかもしれません)、「サッカー界にはマフィアがいる」と泣きながら訴えていたと記憶していますが、本書を読んでその意味するところが分かったような気がします。

と言っても、本書はサッカーの本というより、政治や外交の本といった方が適切かもしれません。特に面白いのは第1部「ワールドカップと政治」で、W杯という巨大ビジネスの舞台裏でFIFAがどのような戦略をとっているか、またFIFA内でどんな権力闘争が繰り広げられているかが描かれています。あの疑惑の判定は、あの日程・組み合わせは、実は仕組まれていたのか?なんて数々の場面が脳裏をよぎったりしました。

逆に第2部「南アフリカ開催の意義」は、もはや南アW杯が終わった今、積極的に知ろうとするモチベーションを保てませんでした。結局「ワールドカップは誰のものか」というタイトルに、明確な答えを出していないのも残念です。

8.03.2010

Eat, Pray, Love./Elizabeth Gilbert

30台の悩める女性向けかと思いきや、男性にも大いに楽しめる本でした。英語も平易で読みやすく、英語の勉強に最適です。

ジャーナリストとしての安定した仕事と行き詰っていた夫婦生活を捨て、1年間の旅に出たアメリカ人女性の自叙伝。イタリアでは食を、インドでは信仰を、そしてインドネシアのバリでは現世と精神世界のバランスを追求するとテーマを決めて、4ヶ月ずつ滞在。それぞれの土地でのかけがえのない出会いを通じて、人生の真理へと行き着くという物語。

こう書くと「いかにも女性向け」という感じがするかもしれませんし、事実、“神”との対話などスピリチュアルな話には、やや食傷気味になることもありました。また、すごく意地悪い見方をすれば、全編が著者のハッピー自慢に過ぎないかもしれません。それでも、著者を取り囲む登場人物たちが魅力的に描かれており、一緒に著者を応援したくなってくるから不思議です。そんなポジティブなパワーが本書にはあふれています。同時に観光ガイドとしての側面もあり、特にバリに行きたくなってしまいました!

2010年9月には映画が公開されますが、このストーリーがどう映像化されているのか見ものです。

6.30.2010

PK戦は運か?

日本代表、残念ながら負けてしまいました。

「PK戦は運」とかって、選手もアナウンサーもサポーターも言う度に強烈な違和感を覚えてしまいます。以前、日経のコラムで読んだのですが、サッカーは最終的にはボールを蹴る技術を競うスポーツ。PK戦というのは、体力を消耗し、プレッシャーがかかる極限状態の中でのキックの技術を競うもので、そこに真の実力が表れる、というような主旨でした。

運だと言うのなら、ドイツがワールドカップの歴史上、PK戦で負けたことがないどころか、一人しか失敗したことがないことの説明がつきません(ちなみに、その失敗は1982年大会準決勝のフランス戦のシュティーリケ。とても印象に残っています)。イングランドがPK戦で負けてばかりのことも。

日本選手はキックの技術は優れていると思うので、後はプレッシャーに打ち勝つメンタルをどう鍛えるかでしょうか。

しかし、今大会の日本は全試合を通じて魂のこもったプレーを見せてくれたました。それはよかった!